学習トップ理由で解く 理学療法士第12章 ▸ 実地 / QP55A012

理由で解く 理学療法士

QP55A012 理学療法治療学

出典:第55回理学療法士国家試験(2020)午前 問12
問題
66歳の女性。左中大脳動脈領域のアテローム血栓性脳梗塞でBroca失語と重度の右片麻痺を認める。理学療法実施の際、コミュニケーションに対する配慮で正しいのはどれか。
選択肢
1 使用頻度の低い単語を用いる。
2 出にくい言葉は先回りして言う。
3 できるだけ長い文章で話しかける。
4 意思伝達には易しい漢字を用いる。
5 ジェスチャーは可能な限り用いない。
解答
正解4(意思伝達には易しい漢字を用いる。)
解説

Broca失語(運動性・非流暢性失語)は理解が比較的保たれ表出が障害される。仮名より漢字(表意文字)の理解が保たれやすく、短く平易な言葉と非言語手段を活用する。

左中大脳動脈領域の梗塞ではBroca野(下前頭回弁蓋部・三角部)が障害され、非流暢で努力性の発話を呈するが聴覚的理解は比較的保たれる運動性失語となる。日本語話者では、音を表す仮名よりも意味を直接表す漢字(表意文字)の理解・処理が保たれやすいため、意思伝達には易しい漢字を用いると伝わりやすい。会話は使用頻度の高い日常語を用いて短く簡潔に話し、本人が言葉を探す時間を待ち、ジェスチャーや絵・指さしなど非言語手段を積極的に併用するのが原則である。

✗ 1. 誤り
使用頻度の低い単語を用いる。
頻度の高い日常的な語のほうが理解・喚起しやすく逆効果
✗ 2. 誤り
出にくい言葉は先回りして言う。
本人の表出意欲を妨げる。言葉が出るのを待つべき
✗ 3. 誤り
できるだけ長い文章で話しかける。
長文は理解の負担が大きい。短く簡潔に
✓ 4. 正しい
意思伝達には易しい漢字を用いる。
漢字は表意文字で理解が保たれやすく有効
✗ 5. 誤り
ジェスチャーは可能な限り用いない。
非言語手段は積極的に活用すべき
ポイント
  • Broca失語=非流暢・表出障害、理解は比較的良好
  • 仮名より漢字(表意文字)が理解しやすい
  • 短く平易に・待つ・ジェスチャー併用
比較表
代表的な失語症の特徴
発話理解復唱
Broca(運動性)非流暢比較的良好不良
Wernicke(感覚性)流暢だが錯語不良不良
伝導失語流暢良好不良
全失語非流暢不良不良
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 理学療法士
App Store入手