学習トップ理由で解く 理学療法士第12章 ▸ 実地 / QP55A013

理由で解く 理学療法士

QP55A013 理学療法治療学

出典:第55回理学療法士国家試験(2020)午前 問13
問題
60歳の女性。転倒して右肩関節痛を訴えた。エックス線写真を図に示す。まず患部に行うべき治療はどれか。
図
選択肢
1 ギプス固定
2 極超短波治療
3 三角巾固定
4 髄内釘固定
5 超音波治療
解答
正解3(三角巾固定)
解説

転倒後の高齢女性で脱臼を伴わない上腕骨近位端骨折は、まず三角巾固定による患肢の安静・懸垂が第一選択。

X線正面像は右肩で、上腕骨頭は関節窩内に位置し脱臼はなく、上腕骨近位部(外科頸〜大結節付近)に骨陰影の不整・透亮帯を認め上腕骨近位端骨折を示唆する。骨透過性の亢進は高齢女性の骨粗鬆症を反映し、転倒による同骨折は本病歴と典型的に一致する。転位の少ない上腕骨近位端骨折の初期治療は保存療法が基本で、肩関節はギプス固定が困難なため、まず三角巾で患肢を懸垂・固定して安静を図る(3が正)。ギプス固定(1)は肩に不向き、極超短波(2)・超音波(5)は急性期骨折に不適な物理療法、髄内釘固定(4)は転位例に対する後続の観血的手術で「まず行う治療」ではない。

✗ 1. 誤り
ギプス固定
肩関節は可動域の大きい球関節でギプスによる有効な固定が困難。上腕骨近位端骨折の初期治療には用いない
✗ 2. 誤り
極超短波治療
温熱を加える物理療法で、腫脹・疼痛のある急性期骨折には不適
✓ 3. 正しい
三角巾固定
X線は上腕骨頭が関節窩内にあり脱臼のない上腕骨近位端骨折を示唆。転位が少ない同骨折の第一選択は三角巾による患肢固定・懸垂で、まず行うべき治療として適切
✗ 4. 誤り
髄内釘固定
観血的な内固定術であり「まず」行う初期治療ではない。転位の大きい不安定型に対する後続の手術
✗ 5. 誤り
超音波治療
物理療法であり急性期骨折の初期治療としては不適
ポイント
  • 高齢女性の転倒+肩痛=上腕骨近位端骨折を疑う
  • 転位軽度は三角巾・スリングで保存的固定が第一選択
  • 急性期の骨折部への温熱・物理療法は禁忌
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