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理由で解く 理学療法士

QP54P029 理学療法治療学

出典:第54回理学療法士国家試験(2019)午後 問29
問題
下腿義足の静的アライメントにおいて、つま先の浮き上がりが観察され、膝折れを起こしそうな不安定感の訴えがあった。ソケットへの対応で適切なのはどれか。
選択肢
1 外側へ移動させる。
2 後方へ移動させる。
3 内側へ移動させる。
4 初期屈曲角度を減らす。
5 初期内転角度を減らす。
解答
正解4(初期屈曲角度を減らす。)
解説

つま先が浮き(背屈様)・膝折れ感が出るのは、ソケットの初期屈曲角度が過大で膝屈曲モーメントが増している状態。初期屈曲角度を減らすと膝が安定する。

下腿義足の静的アライメントでは、ソケットの前後位置と初期屈曲角度が膝の安定性を左右する。ソケットの初期屈曲角度が過大だと、荷重線が膝関節の後方寄りとなって膝屈曲モーメントが増大し、断端は相対的に足部背屈方向へ傾いてつま先が浮き上がって見え、立脚期に膝が折れそうな不安定感を生じる。この場合は初期屈曲角度を減らして荷重線を膝の前方へ戻し、伸展方向のモーメントを回復させると膝が安定する。前後移動でも膝モーメントは変わるが、本症例の『つま先浮き上がり+膝折れ感』に対して屈曲角度過大を是正する対応が最も適切であり、正答は『初期屈曲角度を減らす』。

✗ 1. 誤り
外側へ移動させる。
内外側(前額面)の調整で、矢状面の膝折れ・つま先浮きには対応しない
✗ 2. 誤り
後方へ移動させる。
ソケットを後方に移すと膝屈曲モーメントがさらに増し不安定を助長しやすい
✗ 3. 誤り
内側へ移動させる。
前額面の調整で本症状の是正にならない
✓ 4. 正しい
初期屈曲角度を減らす。
過大な屈曲角度を是正し膝屈曲モーメントを減らして膝を安定させる
✗ 5. 誤り
初期内転角度を減らす。
前額面(内外反)の調整で矢状面の膝折れには対応しない
ポイント
  • 初期屈曲角度過大→膝屈曲モーメント増大→つま先浮き・膝折れ感
  • 対応は初期屈曲角度を減らす(荷重線を膝前方へ)
比較表
下腿義足ソケット調整と膝の安定性
所見原因対応
つま先浮き・膝折れ感初期屈曲角度が過大初期屈曲角度を減らす
膝が伸びきり不安定初期屈曲角度が不足初期屈曲角度を増やす
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