学習トップ理由で解く 理学療法士第11章 ▸ 実地 / QP54A013

理由で解く 理学療法士

QP54A013 理学療法評価学

出典:第54回理学療法士国家試験(2019)午前 問13
問題
82歳の女性。転倒して右股関節痛を訴えた。エックス線写真を図に示す。疑うべき疾患はどれか。
図
選択肢
1 股関節脱臼
2 坐骨骨折
3 大腿骨近位部骨折
4 恥骨結合離開
5 恥骨骨折
解答
正解3(大腿骨近位部骨折)
解説

高齢女性の転倒+股関節痛では、疼痛側大腿骨近位部(頸部〜転子部)の皮質途絶・不整を健側と比較して大腿骨近位部骨折を疑う。

骨盤正面単純X線で、右(画像左、疼痛側)の大腿骨近位部(頸部〜転子部)に皮質の途絶と不整・硬化様の重なりがあり、皮質辺縁が平滑で連続する健側(左)の大腿骨頸部・転子部と明らかに異なる。両大腿骨頭は寛骨臼内に位置し脱臼はなく、恥骨結合は正常幅で整列、恥骨枝・坐骨枝は連続しており、これらの骨折・離開を示す所見はない。82歳女性・転倒・右股関節痛という病歴と合わせ、疑うべきは右大腿骨近位部骨折である。高齢女性の骨粗鬆症を背景とした転倒では大腿骨近位部骨折が最も頻度が高く、画像所見とも一致する。

✗ 1. 誤り
股関節脱臼
両側とも大腿骨頭は寛骨臼内に収まり、脱臼を示す骨頭の逸脱はない
✗ 2. 誤り
坐骨骨折
両側の坐骨・坐骨枝の皮質は連続し骨折線を認めない
✓ 3. 正しい
大腿骨近位部骨折
症状のある患者右側(画像左)の大腿骨頸部〜転子部に皮質の途絶と不整・硬化様の重なりがあり、健側(左)の平滑な輪郭と対照的で骨折を示す
✗ 4. 誤り
恥骨結合離開
恥骨結合は正常な幅で左右が整列し、離開所見はない
✗ 5. 誤り
恥骨骨折
両側の恥骨上枝・下枝の皮質は連続し骨折線を認めない
ポイント
  • 高齢女性+転倒+股関節痛=大腿骨近位部骨折を第一に疑う
  • 背景に骨粗鬆症、患肢は短縮・外旋位
  • 頸部骨折と転子部骨折に大別される
比較表
高齢者の骨盤・股関節周辺骨折
疾患特徴・受傷機転
大腿骨近位部骨折軽微な転倒、患肢短縮・外旋、荷重不能
恥骨・坐骨骨折骨盤脆弱性骨折、限局痛
股関節脱臼高エネルギー外傷が主
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