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理由で解く 理学療法士

QP54A012 理学療法治療学

出典:第54回理学療法士国家試験(2019)午前 問12
問題
70歳の男性。脳梗塞による右片麻痺。Brunnstrom法ステージは上肢Ⅱ、下肢Ⅲ。下肢の随意運動は共同運動がわずかに認められる程度である。歩行はT字杖にて室内は自立している。ADL指導で正しいのはどれか。2つ選べ。
図
選択肢
1 ベット上で起き上がる
2 浴槽に入る
3 シャツを着る
4 床から立ち上がる
5 階段を上る
解答
正解1(1)、3(3)
解説

右片麻痺なので非麻痺側は左である。更衣は着患脱健、支持や踏み出しは非麻痺側が担うという原則で図を判定すると、正しいのは1と3になる。

本例は右片麻痺で、上肢Brunnstrom法ステージⅡ、下肢Ⅲと患側の随意性・支持性は乏しく、頼れるのは左の非麻痺側である。1のベッド上での起き上がりは、非麻痺側の左を下にした側臥位から左上肢でベッドを押して起き上がる方法が描かれており、患側上肢が使えない本例に適する。3のシャツを着る場面は、非麻痺側の左手で麻痺側の右腕を袖に通しており、更衣の原則である着患脱健にかなう。2の浴槽に入る場面は非麻痺側の左下肢から浴槽へ入れているが、浴槽をまたぐときは体を支える非麻痺側を残し、自分では動かしにくい麻痺側の下肢から先に入れるのが安全である。4の床からの立ち上がりは、非麻痺側の左膝をついたまま麻痺側の右足を前について立とうとしており、支持性の乏しい右下肢へ体重が乗って危険である。膝をつくのは麻痺側、前に踏み出して押し上げるのは非麻痺側という組み合わせが正しい。5の階段昇りは麻痺側の右下肢を先に上段へ乗せているが、昇りは非麻痺側の下肢から上げ、患側下肢と杖を後から運ぶ(降りは患側から)のが原則である。したがって正しい指導は1と3である。

✓ 1. 正しい
ベット上で起き上がる
非麻痺側の左を下にした側臥位から、左上肢でベッドを押して起き上がっており適切
✗ 2. 誤り
浴槽に入る
浴槽へは麻痺側の右下肢から入れる。左下肢から入れる図は順序が逆で不適切
✓ 3. 正しい
シャツを着る
左手で麻痺側の右腕から袖を通しており、着患脱健の原則にかなう
✗ 4. 誤り
床から立ち上がる
麻痺側の右足を前について立とうとしている。膝をつくのは患側、踏み出すのは健側
✗ 5. 誤り
階段を上る
昇りは非麻痺側の左下肢から上げる。右下肢を先に上げる図は原則と逆で不適切
ポイント
  • 上肢II・下肢IIIは実用性に乏しく非麻痺側主導が原則
  • 更衣は着患脱健(麻痺側から着て健側から脱ぐ)
  • T字杖は健側手に持ち3動作歩行で安定を確保
比較表
片麻痺ADL指導の原則
動作指導のポイント
更衣着患脱健(麻痺側から着る/健側から脱ぐ)
移乗・立ち上がり健側方向へ、健側で支える
杖歩行杖は健側手に把持、3動作歩行
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