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理由で解く 理学療法士

QP54A014 理学療法評価学

出典:第54回理学療法士国家試験(2019)午前 問14
問題
60歳の男性。右利き。歩行困難のため搬送された。発症7日目の頭部MRIと頭部MRAを図に示す。
閉塞している動脈はどれか。
図
選択肢
1 右前大脳動脈
2 右中大脳動脈
3 右内頸動脈
4 右椎骨動脈
5 脳底動脈
解答
正解2(右中大脳動脈)
解説

梗塞巣が右大脳半球の外側(前頭〜頭頂)に広がり、MRAで右中大脳動脈だけが描出されていない。閉塞部位は右中大脳動脈である。

頭部MRIでは、画像の左側すなわち患者の右半球に、前頭葉から頭頂葉の外側にかけて白く光る梗塞巣が広がっている。正中に近い傍矢状部(前大脳動脈領域)や後方(後大脳動脈領域)は保たれており、この分布は中大脳動脈の灌流域に一致する。頭部MRAでは左右の内頸動脈、椎骨動脈、脳底動脈がいずれも描出され、患者左側では中大脳動脈が末梢の分枝まではっきり追える。これに対し患者右側では内頸動脈から先の中大脳動脈が途絶し、分枝がほとんど描出されていない。梗塞巣の分布とMRAの所見がともに同じ血管を指すことから、閉塞しているのは右中大脳動脈と判断できる。発症7日目でも拡散強調像では梗塞巣は高信号として描出される時期であり、画像所見と経過は矛盾しない。右利きの患者で右中大脳動脈が閉塞すると、左片麻痺に加えて左半側空間無視などの高次脳機能障害が問題となる。したがって正答は2である。

✗ 1. 誤り
右前大脳動脈
前大脳動脈は大脳半球の内側を灌流する。内側は保たれており梗塞巣の分布が合わない
✓ 2. 正しい
右中大脳動脈
梗塞巣が右の中大脳動脈灌流域に一致し、MRAでも右中大脳動脈が途絶している
✗ 3. 誤り
右内頸動脈
MRAで左右の内頸動脈は描出されている。閉塞ならより広範な灌流障害となる
✗ 4. 誤り
右椎骨動脈
椎骨動脈は後方循環を灌流する血管で描出もされ、大脳半球外側の梗塞とは領域が違う
✗ 5. 誤り
脳底動脈
脳底動脈も描出されている。後方循環の血管で、前方循環の梗塞とは部位が合わない
ポイント
  • MRAは血流途絶部位で末梢が描出されない
  • 右MCA閉塞→左片麻痺・左半身感覚障害
  • 内頸動脈閉塞なら前+中大脳動脈がともに低下
比較表
主幹動脈閉塞と主な症状
動脈灌流域・主症状
中大脳動脈半球外側面、対側の上肢優位片麻痺・失語/半側無視
前大脳動脈半球内側面、対側の下肢優位片麻痺
椎骨・脳底動脈脳幹・小脳、めまい・複視・四肢失調
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