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理由で解く 理学療法士

QP54A015 理学療法評価学

出典:第54回理学療法士国家試験(2019)午前 問15
問題
60歳の男性。右利き。歩行困難のため搬送された。発症7日目の頭部MRIと頭部MRAを図に示す。
この患者に生じやすい症状はどれか。
図
選択肢
1 観念失行
2 左右失認
3 純粋失読
4 病態失認
5 観念運動失行
解答
正解4(病態失認)
解説

選択肢のうち病態失認だけが右(非優位)半球の症状で、残る4つはすべて左(優位)半球の病変で生じる。図の梗塞巣は右半球側にある。

本例は右利きの男性であり、左半球が優位半球と考えてよい。発症7日目の頭部MRI・MRAでは右半球側に梗塞巣を認め、責任病巣は非優位半球側にある。非優位半球、とくに頭頂葉が障害されると、半側空間無視とともに病態失認が生じやすい。病態失認とは、麻痺など自分に起きている障害そのものを患者が認識できない状態で、右半球損傷に特徴的な症状である。一方、観念失行と観念運動失行はいずれも左(優位)半球頭頂葉の病変で生じる。左右失認はGerstmann症候群の一徴候であり、優位半球の角回病変で起こる。純粋失読は左後頭葉と脳梁膨大部の病変によるもので、これらはいずれも本例の病巣とは反対側の症状である。したがって、この患者に生じやすいのは病態失認である。

✗ 1. 誤り
観念失行
物品を用いた一連の行為の手順が乱れる失行で、左(優位)半球頭頂葉の病変で生じる
✗ 2. 誤り
左右失認
Gerstmann症候群の一徴候で優位半球角回の病変による。右半球梗塞の本例では起こりにくい
✗ 3. 誤り
純粋失読
書字は保たれ読字だけが障害される。左後頭葉と脳梁膨大部の病変によるもので部位が異なる
✓ 4. 正しい
病態失認
麻痺など自分の障害を認識できない症状で、右(非優位)半球の頭頂葉病変で生じやすい
✗ 5. 誤り
観念運動失行
身振りの模倣や指示された運動が拙劣になる失行で、左(優位)半球病変が原因となる
ポイント
  • 右利き=左半球優位、右半球は非優位半球
  • 非優位(右)半球病変=病態失認・半側空間無視
  • 失行・失読・左右失認は優位(左)半球症状
比較表
半球別の代表的高次脳機能障害
半球生じやすい症状
優位(左)半球失語、観念(運動)失行、失読、左右失認
非優位(右)半球半側空間無視、病態失認、着衣失行
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