学習トップ理由で解く 理学療法士第11章 ▸ 実地 / QP54A016

理由で解く 理学療法士

QP54A016 理学療法評価学

出典:第54回理学療法士国家試験(2019)午前 問16
問題
42歳の男性。スキーの滑走中に転倒し、腕神経叢の図に示す部位を損傷した。前腕外側〈橈側〉と手の掌側の母指から環指に感覚鈍麻がある。筋力低下をきたす筋はどれか。2つ選べ。
図
選択肢
1 円回内筋
2 三角筋
3 小指外転筋
4 上腕三頭筋
5 上腕二頭筋
解答
正解1(円回内筋)、5(上腕二頭筋)
解説

前腕外側+母指〜環指掌側の感覚障害は外側神経束(筋皮神経+正中神経外側根)損傷を示し、上腕二頭筋(筋皮神経)と円回内筋(正中神経)が筋力低下する。

図は腕神経叢の模式図で、右側にC5〜T1の神経根、上部に損傷部位を示す太い黒棒がある。設問の感覚障害は「前腕外側〈橈側〉」と「手掌側の母指〜環指」で、それぞれ外側前腕皮神経(筋皮神経の枝)と正中神経の感覚支配領域に一致する。両者を同時に生じる損傷部位は、これらの神経を分岐する外側神経束である。外側神経束は上神経幹・中神経幹の前枝が合流したもので、筋皮神経(上腕二頭筋・上腕筋・烏口腕筋)と正中神経の外側根(円回内筋・橈側手根屈筋など)を送る。したがって筋皮神経支配の上腕二頭筋と、正中神経外側根支配の円回内筋に筋力低下が生じる。一方、三角筋(腋窩神経)と上腕三頭筋(橈骨神経)は後神経束由来、小指外転筋(尺骨神経)は内側神経束由来であり、いずれも損傷部位から外れるため温存される。三角筋がC5・C6由来でありながら障害されない点が、損傷が上神経幹ではなく外側神経束であることを示す鍵となる。

✓ 1. 正しい
円回内筋
正中神経(外側神経束=C6・C7前枝由来の外側根)支配。図の損傷部位(外側神経束)に含まれ筋力低下する
✗ 2. 誤り
三角筋
腋窩神経(後神経束、C5・C6)支配。後神経束は損傷部位から外れ温存される
✗ 3. 誤り
小指外転筋
尺骨神経(内側神経束、C8・T1)支配。損傷部位より内側・末梢で温存され、症状も手内在筋には及ばない
✗ 4. 誤り
上腕三頭筋
橈骨神経(後神経束、C7・C8)支配。後神経束は温存される
✓ 5. 正しい
上腕二頭筋
筋皮神経(外側神経束、C5・C6)支配。図の損傷部位(外側神経束)に含まれ筋力低下する
ポイント
  • 前腕外側の感覚=外側前腕皮神経(筋皮神経)
  • 母指〜環指掌側の感覚=正中神経
  • 外側神経束損傷→筋皮神経・正中神経(外側根)支配筋が低下
比較表
腕神経叢の神経束と支配神経・筋
神経束主な神経代表筋
外側束筋皮神経・正中神経外側根上腕二頭筋・円回内筋
後束腋窩神経・橈骨神経三角筋・上腕三頭筋
内側束尺骨神経・正中神経内側根小指外転筋・手内筋
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 理学療法士
App Store入手