学習トップ理由で解く 理学療法士第11章 ▸ 実地 / QP54A017

理由で解く 理学療法士

QP54A017 理学療法評価学

出典:第54回理学療法士国家試験(2019)午前 問17
問題
6歳の男児。顕在性二分脊椎症による脊髄髄膜瘤の術後。大腿四頭筋、大内転筋の作用はなく、ハムストリングス、前脛骨筋、後脛骨筋、長母指伸筋および長指伸筋が作用している。踵足変形のため短下肢装具を使用しており、独歩可能である。予測されるSharrardの分類はどれか。
選択肢
1 I群
2 II群
3 III群
4 IV群
5 V群
解答
正解4(IV群)
解説

Sharrard分類は二分脊椎の残存髄節(機能する最も遠位の筋)で麻痺レベルを分ける。前脛骨筋・長趾伸筋などL5支配筋が働き踵足変形を伴う本例はL5レベル=第IV群に相当する。

Sharrardの分類は機能している最も遠位の髄節レベルで麻痺の程度を評価する。本例では大腿四頭筋・大内転筋(L2〜L4)の作用はないが、前脛骨筋・後脛骨筋・長母指伸筋・長指伸筋(L4〜L5支配)が働いている。足関節背屈筋が働き底屈筋(下腿三頭筋、S1)が麻痺しているため踵足変形をきたすのはL5レベルの典型像であり、Sharrard第IV群(L5)に相当する。踵足変形と長趾伸筋群の活動、独歩可能という所見が第IV群の特徴と合致する。なお本問は公式の解答が確定していないため、麻痺レベルの推論に基づく最有力の分類として第IV群を示す。

✗ 1. 誤り
I群
胸髄〜L1、下肢弛緩性麻痺で歩行困難。本例の機能像と不一致
✗ 2. 誤り
II群
L2〜L3、股関節屈曲・内転可能だが下腿筋は働かない。不一致
✗ 3. 誤り
III群
L4、大腿四頭筋機能が中心。本例は大腿四頭筋なしで不一致
✓ 4. 正しい
IV群
L5、前脛骨筋・長趾伸筋が働き踵足変形をきたす。本例に合致(最有力)
✗ 5. 誤り
V群
S1〜S2、下腿三頭筋が働きほぼ正常歩行。踵足変形は生じにくく不一致
本問は厚生労働省が「設問が不十分で正解が得られないため」として採点除外とした問題です(第54回理学療法士国家試験 午前 問17、公式の正答はありません)。原問は「予測されるSharrardの分類の上限はどれか」という表現の意味が取りにくいうえ、「靴型装具」という記載が装具をほとんど必要としない第V群の像と重なり、筋の所見が示す第IV群と食い違う点が破綻の原因とされています。そこで演習として成立させるため、当方で設問の2か所を改変しました:「踵足変形のため靴型装具を使用しており」→「踵足変形のため短下肢装具を使用しており」、「予測されるSharrardの分類の上限はどれか。」→「予測されるSharrardの分類はどれか。」です。改変後は、L5髄節までの筋が作用し下腿三頭筋(S1〜S2)の麻痺で踵足変形を生じ、短下肢装具で独歩という所見が第IV群(L5レベル)の典型像となり、正答は4に一つに定まります。
ポイント
  • Sharrard分類は機能する最遠位髄節で判定
  • L5レベル(第IV群)=前脛骨筋・長趾伸筋機能、踵足変形
  • 底屈筋(S1)麻痺で背屈優位となり踵足となる
比較表
Sharrard分類(二分脊椎の麻痺レベル)
髄節特徴
II群L2〜L3股関節屈曲・内転可、大腿四頭筋なし
III群L4大腿四頭筋機能、膝伸展可
IV群L5前脛骨筋・長趾伸筋機能、踵足変形
V群S1〜S2下腿三頭筋機能、ほぼ正常歩行
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