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理由で解く 理学療法士

QP53P049 理学療法治療学

出典:第53回理学療法士国家試験(2018)午後 問49
問題
人工呼吸器を使用している重症心身障害児の気管吸引を実施する上で正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢
1 気管吸引後、聴診する。
2 気管吸引時にはSpO2を確認する。
3 吸引圧は20kPa(150mmHg)以上に設定する。
4 吸引カテーテルは気管分岐部の先まで挿入する。
5 気管吸引は1回の吸引につき30秒間程度持続して行う。
解答
正解1(気管吸引後、聴診する。)、2(気管吸引時にはSpO2を確認する。)
解説

気管吸引では前後の呼吸音の聴診で効果と換気状態を評価し、実施中はSpO2をモニタして低酸素を防ぐ。吸引圧は概ね20kPa(150mmHg)以下、1回の吸引時間は10〜15秒以内、カテーテルは気管分岐部に当てない、が基本原則。

気管吸引は低酸素・徐脈・気道粘膜損傷・無気肺などのリスクを伴う侵襲的手技であり、安全確保が要点である。吸引の前後に呼吸音を聴診して分泌物の貯留・除去や換気状態を評価し、実施中はパルスオキシメータでSpO2を監視して低酸素の徴候を早期に把握する。一方、吸引圧は概ね20kPa(150mmHg)以下に設定し(過大な陰圧は粘膜損傷・無気肺を招く)、カテーテルは気管分岐部の手前までにとどめ(分岐部に当てると粘膜損傷・迷走神経反射・咳嗽誘発)、1回の吸引は低酸素を避けるため10〜15秒以内と短くする(30秒は長すぎる)。よって適切なのは選択肢1と2である。

✓ 1. 正しい
気管吸引後、聴診する。
分泌物除去の効果と換気状態を呼吸音で評価する
✓ 2. 正しい
気管吸引時にはSpO2を確認する。
低酸素・徐脈のリスク監視として必須
✗ 3. 誤り
吸引圧は20kPa(150mmHg)以上に設定する。
吸引圧は20kPa(150mmHg)以上に設定する:過大な陰圧は粘膜損傷・無気肺を招く。20kPa以下が原則
✗ 4. 誤り
吸引カテーテルは気管分岐部の先まで挿入する。
分岐部を越えると粘膜損傷・反射誘発。手前でとどめる
✗ 5. 誤り
気管吸引は1回の吸引につき30秒間程度持続して行う。
低酸素を招く。1回10〜15秒以内が原則
ポイント
  • 吸引前後に聴診、実施中はSpO2モニタ
  • 吸引圧は20kPa(150mmHg)以下
  • 1回の吸引は10〜15秒以内、カテーテルは分岐部手前まで
比較表
気管吸引の安全基準
項目適切な基準
吸引圧概ね20kPa(150mmHg)以下
1回の吸引時間10〜15秒以内
カテーテル挿入深さ気管分岐部の手前まで
モニタリングSpO2・心拍・呼吸音(前後の聴診)
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