学習トップ理由で解く 理学療法士第12章 ▸ 実地 / QP53P011

理由で解く 理学療法士

QP53P011 理学療法治療学

出典:第53回理学療法士国家試験(2018)午後 問11
問題
52歳の男性。2型糖尿病。足のしびれと血糖値の上昇のため入院となった。検査結果では空腹時血糖305mg/dL、尿検査でケトン体陽性であった。虚血性心疾患と腎機能障害は認めない。この患者への対応で正しいのはどれか。
選択肢
1 安静臥床とする。
2 1日200kcalを消費させる運動を行う。
3 1RMの80%で下肢の筋力増強運動を行う。
4 病棟内歩行などの軽度な負荷にとどめる。
5 目標心拍数115/分で有酸素運動を20分間行う。
解答
正解4(病棟内歩行などの軽度な負荷にとどめる。)
解説

空腹時血糖250mg/dL以上かつ尿ケトン体陽性は運動療法の禁忌(代謝コントロール不良)。まず血糖是正が優先で、運動は軽度負荷にとどめる。

空腹時血糖305mg/dLでケトン体陽性は、インスリン作用不足による代謝コントロール不良の状態である。この状態で中等度以上の運動を行うと、拮抗ホルモン分泌で血糖・遊離脂肪酸がさらに上昇しケトアシドーシスを助長する危険があるため、運動療法は禁忌となる(糖尿病治療ガイドの運動中止基準:空腹時血糖250mg/dL以上や尿ケトン陽性)。一方で虚血性心疾患・腎障害はなく、完全な安静臥床は廃用を招くだけで不要である。したがって薬物療法で血糖を是正するまでは、病棟内歩行程度の軽度な負荷にとどめるのが適切である。

✗ 1. 誤り
安静臥床とする。
合併症コントロールのため過度な運動は避けるが、廃用を招く完全臥床は不要
✗ 2. 誤り
1日200kcalを消費させる運動を行う。
ケトーシスを伴う高血糖時には負荷が過大で禁忌
✗ 3. 誤り
1RMの80%で下肢の筋力増強運動を行う。
高強度レジスタンスは血圧・血糖上昇を招き不適
✓ 4. 正しい
病棟内歩行などの軽度な負荷にとどめる。
血糖是正までは低負荷にとどめるのが適切
✗ 5. 誤り
目標心拍数115/分で有酸素運動を20分間行う。
中等度有酸素運動でありケトン陽性時は禁忌
ポイント
  • 空腹時血糖250mg/dL以上・尿ケトン陽性=運動療法禁忌
  • 血糖是正までは軽度負荷、ただし完全臥床は不要
比較表
糖尿病における運動療法の中止・禁忌基準
状態運動の可否
空腹時血糖250mg/dL以上+尿ケトン陽性禁忌
血糖コントロール良好適応(有酸素+レジスタンス)
増殖網膜症・腎症進行・自律神経障害強度制限・慎重
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 理学療法士
App Store入手