学習トップ理由で解く 理学療法士第11章 ▸ 実地 / QP53P005

理由で解く 理学療法士

QP53P005 理学療法評価学

出典:第53回理学療法士国家試験(2018)午後 問5
問題
車椅子乗車中に体幹を右に傾けたまま寝てしまい、アームレストに右上腕外側を長時間圧迫していた。目が覚めると、図のように右手の斜線部分に感覚鈍麻を認めた。絞扼性損傷を受けた神経はどれか。
選択肢
1 腋窩神経
2 筋皮神経
3 尺骨神経
4 正中神経
5 橈骨神経
解答
正解5(橈骨神経)
解説

上腕外側(橈骨神経溝)の長時間圧迫は橈骨神経麻痺を起こす。感覚障害は手背橈側〜母指・示指背側に生じ、運動では下垂手を呈する。

アームレストに圧迫された上腕外側は、橈骨神経が上腕骨の橈骨神経溝(螺旋溝)を走行する部位である。ここが長時間圧迫されると橈骨神経麻痺(いわゆるSaturday night palsy)を生じる。橈骨神経の皮枝(浅枝)は手背の橈側および母指・示指の背側の感覚を支配するため、この領域に感覚麻痺が出現する。運動障害としては手関節・手指伸展の障害による下垂手がみられる。図の斜線部(手背橈側)は橈骨神経浅枝の支配領域に一致する。

✗ 1. 誤り
腋窩神経
三角筋の運動と上腕外側上部の感覚を支配。圧迫部位・感覚領域が異なる
✗ 2. 誤り
筋皮神経
上腕二頭筋など肘屈曲と前腕外側の感覚を支配。手の感覚には関与しない
✗ 3. 誤り
尺骨神経
小指と環指尺側半の感覚、鷲手を呈する。障害領域が異なる
✗ 4. 誤り
正中神経
母指〜環指橈側の掌側感覚、猿手を呈する。掌側で手背橈側ではない
✓ 5. 正しい
橈骨神経
橈骨神経溝で圧迫され、手背橈側の感覚障害と下垂手を生じる
ポイント
  • 上腕外側(橈骨神経溝)圧迫=橈骨神経麻痺
  • 感覚障害は手背橈側〜母指・示指背側
  • 運動障害は下垂手(手関節・手指伸展不能)
比較表
上肢主要末梢神経の感覚支配と特徴的運動障害
神経手の感覚領域特徴的変形
橈骨神経手背橈側・母指~示指背側下垂手
正中神経母指~環指橈側の掌側猿手
尺骨神経小指・環指尺側鷲手
筋皮神経前腕外側(手には及ばない)肘屈曲力低下
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