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理由で解く 理学療法士

QP53A031 理学療法治療学

出典:第53回理学療法士国家試験(2018)午前 問31
問題
歩行において下腿義足の初期内転角が不足しているときに生じる現象はどれか。
選択肢
1 断端外側遠位部に圧迫感が生じる。
2 断端内側遠位部に圧迫感が生じる。
3 踵接地時に義足足部が回旋する。
4 義足の足部外側が浮き上がる。
5 歩隔が広い。
解答
正解1(断端外側遠位部に圧迫感が生じる。)
解説

下腿義足ソケットの初期内転角が不足すると立脚期に断端が相対的に外反し、断端外側遠位部に荷重が集中して圧迫感が生じる。

下腿義足のソケットは正常歩行の膝内反モーメントに対応するため、初期屈曲角とともにわずかな初期内転角をつけてセットする。この内転角が立脚中期の側方安定性を担保する。内転角が不足すると立脚期に義足が相対的に外反位(ソケット近位内側と遠位外側で荷重を受ける関係)となり、断端は外側遠位部で骨端がソケット壁に押し付けられて圧迫感・疼痛を生じる。逆に内転角が過大なら内側遠位部が圧迫される。アライメント不良による断端痛は圧迫部位から原因を推定できるのが臨床的要点である。

✓ 1. 正しい
断端外側遠位部に圧迫感が生じる。
初期内転角不足→立脚期に相対的外反→外側遠位部へ荷重集中
✗ 2. 誤り
断端内側遠位部に圧迫感が生じる。
これは逆に初期内転角が過大な場合の所見
✗ 3. 誤り
踵接地時に義足足部が回旋する。
足部の内外転(トウイン/トウアウト)アライメント不良や靴適合の問題による
✗ 4. 誤り
義足の足部外側が浮き上がる。
足部の外側ウェッジや内転角過大などによる足部内側荷重で生じる現象で本設問とは一致しない
✗ 5. 誤り
歩隔が広い。
ソケット内転角不足で外反すれば足部は内側寄りとなり歩隔はむしろ狭くなる傾向
ポイント
  • ソケット初期内転角は立脚期の側方安定性を担う
  • 内転角不足→外反→外側遠位部の圧迫
  • 内転角過大→内側遠位部の圧迫
  • 断端の圧迫部位からアライメント不良を推定
比較表
下腿義足の内転角アライメントと断端圧迫部位
アライメント異常立脚期の傾向圧迫が生じる部位
初期内転角が不足相対的に外反断端外側遠位部・内側近位部
初期内転角が過大相対的に内反断端内側遠位部・外側近位部
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