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理由で解く 理学療法士

QP52P082 臨床医学大要

出典:第52回理学療法士国家試験(2017)午後 問82
問題
脊髄損傷の自律神経過反射でみられるのはどれか。2つ選べ。
選択肢
1 頻脈
2 高血圧
3 低血糖
4 顔面紅潮
5 損傷レベルより下の発汗
解答
正解2(高血圧)、4(顔面紅潮)
解説

自律神経過反射は第6胸髄(T6)以上の損傷で、損傷レベル以下の刺激(膀胱・直腸の充満など)を契機に交感神経が過活動し発作性高血圧をきたす。代償性に損傷レベルより上の顔面紅潮・発汗、徐脈が出現する。

自律神経過反射(autonomic dysreflexia)はT6以上の脊髄損傷でみられる緊急病態。膀胱充満・便秘・褥瘡などの損傷レベル以下からの侵害刺激が脊髄反射を介して交感神経を過剰興奮させ、損傷レベル以下の血管が収縮して発作性の著明な高血圧を生じる。この上昇した血圧を頸動脈洞・大動脈弓の圧受容器が感知し、延髄からの迷走神経性代償反応が起こるが、遮断された損傷レベル以下には信号が届かないため、代償反応は損傷レベルより上に限局する。結果、徐脈・頭痛・損傷レベルより上の顔面紅潮・発汗・鼻閉が現れる。放置すると高血圧性脳症や脳出血を招くため、起坐位・原因除去が必要。よって高血圧(2)と顔面紅潮(4)が正しい。

✗ 1. 誤り
頻脈
高血圧に対する迷走神経性代償で通常は徐脈となる
✓ 2. 正しい
高血圧
損傷レベル以下の交感神経過活動による発作性高血圧が本態
✗ 3. 誤り
低血糖
自律神経過反射とは無関係。血糖異常は主症状ではない
✓ 4. 正しい
顔面紅潮
代償性の血管拡張は損傷レベルより上に出現し顔面紅潮・発汗をきたす
✗ 5. 誤り
損傷レベルより下の発汗
発汗は損傷レベルより「上」にみられる。損傷レベル以下は血管収縮で蒼白・冷感となる
ポイント
  • T6以上の損傷で発症
  • 誘因は損傷レベル以下の侵害刺激(膀胱・直腸の充満)
  • 発作性高血圧+徐脈+損傷レベルより上の顔面紅潮・発汗・頭痛
  • 対応:起坐位・原因除去(高血圧性脳症・脳出血の危険)
比較表
自律神経過反射における損傷レベルの上下での反応
部位反応
損傷レベルより上血管拡張:顔面紅潮・発汗・鼻閉、徐脈、頭痛
損傷レベルより下血管収縮:蒼白・冷感、発作性高血圧
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