学習トップ理由で解く 理学療法士第12章 ▸ 実地 / QP52A015

理由で解く 理学療法士

QP52A015 理学療法治療学

出典:第52回理学療法士国家試験(2017)午前 問15
問題
52歳の女性。7年前に右の乳癌に対して腋窩リンパ節郭清を伴う乳房部分切除術が行われ、術後に化学療法と放射線療法が行われた。5年前から右上肢リンパ浮腫が出現したため日常生活においては弾性スリーブを装着していた。リンパ浮腫が悪化してきたため受診し、リンパ浮腫重症度分類ステージⅡと診断された。日常生活指導として適切なのはどれか。
選択肢
1 むだ毛を処理する。
2 皮膚の保湿をする。
3 水分摂取を制限する。
4 入浴は熱い温度で長湯をする。
5 腕を締め付けるような服を着る。
解答
正解2(皮膚の保湿をする。)
解説

リンパ浮腫では蜂窩織炎(感染)予防が最重要。皮膚を清潔・保湿してバリアを保つスキンケアが適切な指導。

腋窩リンパ節郭清後は上肢のリンパ流が障害され続発性リンパ浮腫を生じる。患肢では感染(蜂窩織炎)を起こすとさらに浮腫が悪化する悪循環に陥るため、スキンケアで皮膚を保湿し乾燥・亀裂・傷を防ぐことが感染予防の基本となる。むだ毛処理はカミソリでの皮膚損傷が感染契機となるため避け、行う場合も電気シェーバーとする。加熱(熱い湯・長湯)は血管拡張でリンパ産生を増やし浮腫を助長し、締め付ける衣類は局所のうっ滞を招く。水分摂取制限は浮腫改善に無効で脱水を招くため不要である。

✗ 1. 誤り
むだ毛を処理する。
むだ毛を処理する(カミソリ):皮膚を傷つけ感染契機となり得るため避ける
✓ 2. 正しい
皮膚の保湿をする。
皮膚バリアを保ち蜂窩織炎を予防するスキンケアの基本
✗ 3. 誤り
水分摂取を制限する。
リンパ浮腫は水分制限で改善せず脱水を招く
✗ 4. 誤り
入浴は熱い温度で長湯をする。
加温は血管拡張・リンパ産生増加で浮腫を悪化
✗ 5. 誤り
腕を締め付けるような服を着る。
局所のうっ滞を強め浮腫を助長する
ポイント
  • リンパ浮腫は蜂窩織炎予防が要
  • スキンケア(清潔・保湿)で皮膚バリア保持
  • 加温・締め付け・皮膚外傷を避ける
比較表
リンパ浮腫の複合的治療(保存療法の柱)
構成要素内容
スキンケア保湿・清潔で感染予防
用手的リンパドレナージリンパ流の誘導
圧迫療法弾性スリーブ・包帯
圧迫下運動筋ポンプ作用の活用
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