学習トップ理由で解く 理学療法士第12章 ▸ 実地 / QP52A014

理由で解く 理学療法士

QP52A014 理学療法治療学

出典:第52回理学療法士国家試験(2017)午前 問14
問題
39歳の男性。野球の試合中にジャンプしてボールをキャッチした着地時に、踵に疼痛と違和感とを訴えた。その直後から歩行困難となったために、応急処置の後に緊急搬送された。搬送先の病院で撮影された足部MRIを図に示す。矢印は損傷部位を示す。受傷直後の処置として適切なのはどれか。
図
選択肢
1 足底板による固定
2 足関節周辺の保温
3 足関節底屈位での固定
4 強擦法による下腿部のマッサージ
5 端座位による下腿下垂位での安静
解答
正解3(足関節底屈位での固定)
解説

アキレス腱断裂の受傷直後は、断端を近づけ緊張を緩めるため足関節底屈位で固定する。

矢状断MRIで矢印は足関節後方を走行するアキレス腱(踵骨腱)を指し、その連続性の途絶(断裂)を示している。臨床経過(ジャンプ着地時の踵の疼痛・違和感、直後の歩行困難)と合わせ、アキレス腱断裂と判断できる。受傷直後は、断裂した腱断端を近づけて緊張を軽減する目的で足関節を底屈位に保持して固定するのが適切であり、選択肢3が正しい。保温(2)や下垂位安静(5)は腫脹・出血を助長し、強擦法マッサージ(4)は断裂部を悪化させるため不適。足底板(1)はアーチ異常への装具でアキレス腱断裂の初期固定には無関係。

✗ 1. 誤り
足底板による固定
足底板は扁平足など足部アーチ異常への装具であり、アキレス腱断裂の固定肢位には無関係で不適
✗ 2. 誤り
足関節周辺の保温
急性外傷は冷却・圧迫・挙上(RICE)が原則。保温は出血・腫脹を助長し不適
✓ 3. 正しい
足関節底屈位での固定
底屈位にすると断裂した腱の断端どうしが近づき緊張が緩み、断端接合と再断裂予防に有利。受傷直後の固定肢位として適切
✗ 4. 誤り
強擦法による下腿部のマッサージ
断裂部・下腿三頭筋への強い機械的刺激は損傷を悪化させ禁忌
✗ 5. 誤り
端座位による下腿下垂位での安静
下垂位は浮腫・出血を助長する。患肢は挙上・安静が原則で不適
ポイント
  • 跳躍着地で踵痛+歩行困難=アキレス腱断裂
  • 底屈位固定で断端を近接
  • 急性期はRICE(冷却・挙上)、保温とマッサージは禁忌
比較表
急性期軟部組織損傷の対応(RICE)
原則内容
Rest安静・固定(アキレス腱は底屈位)
Ice冷却(保温は不可)
Compression圧迫
Elevation挙上(下垂は不可)
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