学習トップ理由で解く 理学療法士第11章 ▸ 実地 / QP52A009

理由で解く 理学療法士

QP52A009 理学療法評価学

出典:第52回理学療法士国家試験(2017)午前 問9
問題
78歳の女性。布団を持ち上げようとした際、背部から腹部への強い帯状痛を生じ、寝返りも困難となったため入院となった。入院時のエックス線写真(A)とMRI(B)を図に示す。この患者の病態はどれか。2つ選べ。
図
選択肢
1 骨粗鬆症
2 脊椎分離症
3 脊柱管狭窄症
4 椎間板ヘルニア
5 脊椎椎体圧迫骨折
解答
正解1(骨粗鬆症)、5(脊椎椎体圧迫骨折)
解説

高齢女性の軽微外力後の帯状痛+エックス線写真(A)の骨透亮亢進・椎体楔状変形+MRI(B)の椎体内高信号は、骨粗鬆症を基盤とした椎体圧迫骨折を示す。

78歳女性が布団を持ち上げる程度の軽微な負荷で背部から腹部への帯状痛を生じ、寝返りも困難となった経過は、骨脆弱性を背景とした椎体圧迫骨折の典型像である。エックス線写真(A・胸腰椎側面)では椎体が全体に淡く写り皮質が菲薄化しており(骨密度低下=骨粗鬆症)、加えて椎体前方がくさび状につぶれた楔状変形を認める。MRI(B・矢状断)では同部の椎体が楔状に変形し、椎体内に境界明瞭な高信号(液体貯留のcleftおよび骨髄浮腫を示唆)を認め、新規〜亜急性の圧迫骨折を支持する。すなわち基礎疾患としての「骨粗鬆症」と、それにより生じた「脊椎椎体圧迫骨折」の2つが病態であり、公式正答[1,5]と整合する。分離症・脊柱管狭窄症・椎間板ヘルニアを主体とする所見や、それらに合致する急性経過は認めない。

✓ 1. 正しい
骨粗鬆症
エックス線写真(A)で椎体が全体に淡く写り、皮質も薄く骨密度の低下がうかがえる。78歳女性・軽微な外力(布団を持ち上げる)で骨折した経過も骨粗鬆症を裏づける
✗ 2. 誤り
脊椎分離症
椎弓峡部の骨性連続性が断たれる分離所見は図に認めず、本症例の病態ではない
✗ 3. 誤り
脊柱管狭窄症
脊柱管の狭小化や馬尾・神経根の絞扼を示す所見が主体ではなく、急性の帯状痛という経過とも合わない
✗ 4. 誤り
椎間板ヘルニア
椎間板の後方突出による神経圧迫像は明瞭でなく、主病態とはいえない
✓ 5. 正しい
脊椎椎体圧迫骨折
エックス線写真(A)・MRI(B)ともに椎体前方がくさび状につぶれた変形を示し、MRI(B)では椎体内に高信号(液体貯留cleft/骨髄浮腫)を認める。軽微外力後の帯状痛・寝返り困難という臨床像とも一致する
ポイント
  • 高齢女性+軽微外力+帯状痛=脆弱性椎体圧迫骨折
  • 背景病態は骨粗鬆症
  • MRIで骨髄浮腫(新鮮骨折)を確認
比較表
腰背部痛を来す病態の鑑別
病態特徴
脊椎椎体圧迫骨折軽微外力で急性帯状痛・楔状変形
脊椎分離症若年・椎弓疲労骨折
脊柱管狭窄症間欠性跛行・下肢しびれ
椎間板ヘルニア神経根性の下肢痛・しびれ
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