学習トップ理由で解く 理学療法士第11章 ▸ 実地 / QP52A004

理由で解く 理学療法士

QP52A004 理学療法評価学

出典:第52回理学療法士国家試験(2017)午前 問4
問題
関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)で正しいのはどれか。2つ選べ。
図
選択肢
1 肩甲帯挙上
2 肩伸展
3 前腕回外
4 手尺屈
5 母指橈側外転
解答
正解2(2)、5(5)
解説

実線=基本軸、破線=移動軸として、日本整形外科学会・日本リハビリテーション医学会基準の定義と図が一致するかを一つずつ照合する。定義どおりなのは肩伸展と母指橈側外転の2つである。

肩伸展は基本軸が肩峰を通る床への垂直線、移動軸が上腕骨で、図2は側面像に垂直な実線と後方へ振れる上腕の破線が描かれており定義どおりである(参考可動域50°、体幹を固定し前腕は中間位で測定)。母指橈側外転は基本軸が示指(橈骨の延長上)、移動軸が母指で、図5は手掌面上で母指が示指から離れていく運動として正しく示されている(参考可動域60°)。一方、肩甲帯挙上は基本軸が両側の肩峰を結ぶ線、移動軸が肩峰と胸骨上縁を結ぶ線であるが、図1では実線が肩峰と胸骨上縁を結ぶ斜めの線に引かれており、基本軸であるべき両肩峰を結ぶ線になっていない。前腕回外は肘を90°屈曲した肢位で基本軸を上腕骨、移動軸を手指を伸展した手掌面にとるが、図3の実線は前腕に沿う水平線で上腕骨に沿っておらず誤りである。手尺屈は前腕回内位で基本軸を前腕の中央線、移動軸を第3中手骨にとるが、図4では手がほとんど偏位していないため第3中手骨の延長は実線とほぼ重なるはずなのに、破線だけが尺側へ振れて引かれている。移動軸は運動する骨そのものに置く軸であって運動の方向を示す線ではない、という点がこの設問の急所である。したがって正しいのは2と5である。

✗ 1. 誤り
肩甲帯挙上
基本軸は両肩峰を結ぶ線だが、図の実線は肩峰と胸骨上縁を結ぶ斜線に引かれている
✓ 2. 正しい
肩伸展
基本軸=肩峰を通る床への垂直線、移動軸=上腕骨で図のとおり。参考可動域は50°
✗ 3. 誤り
前腕回外
基本軸は上腕骨だが、図の実線は前腕に沿う水平線で上腕骨に沿っていない
✗ 4. 誤り
手尺屈
移動軸は第3中手骨だが、図の破線は中手骨の延長から尺側へ外れて引かれている
✓ 5. 正しい
母指橈側外転
基本軸=示指(橈骨の延長上)、移動軸=母指で、手掌面上の運動として定義どおり
ポイント
  • 測定は基本軸・移動軸・基本肢位を規約どおり設定
  • 角度計の中心は関節運動軸に一致させる
  • 代償運動を防ぐ固定・肢位が正確な測定の前提
比較表
ROM測定の基本原則
要素内容
基本肢位原則0度(解剖学的肢位)
基本軸測定の固定基準となる軸
移動軸運動する体節に沿う軸
角度計中心関節の運動軸に一致
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