学習トップ理由で解く 看護師国試第9章 ▸ 状況設定 / Q112A114

理由で解く 看護師国試

Q112A114 精神看護学

出典:第112回看護師国家試験(2023)午前 問114
問題
Aさん(20歳、女性)は境界性人格〈パーソナリティ〉障害の診断を受け、精神科外来に通院中である。ある日、人間関係のトラブルから処方されていた睡眠薬を過量服薬して自殺企図をしたところを家族に発見され、救命救急センターに搬送された。
入院1週、Aさんは看護師ごとに言動や態度を変えることが多く、病棟ではAさんに対して共感を示す看護師と、拒否的な態度を示す看護師に分かれてしまった。そのため、病棟の看護師はチームでの対応についてカンファレンスを行った。Aさんへの看護師のチームとしての対応で適切なのはどれか。
選択肢
1 Aさんと看護師が関わる頻度を減らす。
2 Aさんに共感を示す看護師に担当を固定する。
3 Aさんに対する感情を看護師同士で表出しないように統一する。
4 Aさんの行動が患者−看護師関係にもたらす影響について評価する。
解答
正解4(Aさんの行動が患者−看護師関係にもたらす影響について評価する。)
解説

スプリッティングが生じたときは、患者の行動が患者−看護師関係に与える影響をチームで客観的に評価・共有し、一貫した対応方針を立てる。

看護師ごとに態度を変え、スタッフが「共感的」と「拒否的」に二分される現象は、境界性パーソナリティ障害に特徴的なスプリッティング(分裂)である。これに対しては、カンファレンスで各看護師が患者との間で体験している感情や関係性を率直に出し合い、Aさんの行動が患者−看護師関係にどのような影響をもたらしているかを客観的に評価・共有することが重要である。それによりスタッフの陰性感情の個人化を防ぎ、チームとして一貫した治療的対応が可能になる。関わりを減らす、担当を固定する、感情を抑え込むといった対応は問題の理解と一貫性の確保につながらない。

✗ 1. 誤り
Aさんと看護師が関わる頻度を減らす。
見捨てられ不安を強めるうえ、必要な観察・援助が不足する。問題の解決にならない
✗ 2. 誤り
Aさんに共感を示す看護師に担当を固定する。
「良い看護師/悪い看護師」という患者の二分化をそのまま追認し、スプリッティングを強化する
✗ 3. 誤り
Aさんに対する感情を看護師同士で表出しないように統一する。
感情を看護師同士で表出しないように統一する:スタッフが抱く感情(陰性感情を含む)はむしろカンファレンスで共有すべきもので、抑え込むと燃え尽きや対応のばらつきを招く
✓ 4. 正しい
Aさんの行動が患者−看護師関係にもたらす影響について評価する。
患者−看護師関係にもたらす影響について評価する:Aさんの行動パターンとその影響をチームで客観視・共有することで、一貫した対応方針を立てられる
ポイント
  • スタッフが共感的/拒否的に二分される現象=スプリッティングのサイン
  • カンファレンスで感情と関係性を共有し、患者の行動の影響を客観的に評価する
  • 評価に基づきチームで一貫した対応方針を統一することが治療的
比較表
スプリッティングへのチーム対応
適切な対応不適切な対応
感情・体験をカンファレンスで共有する感情を表出せず個人で抱え込む
行動が関係性に与える影響を評価する関わりを減らす・担当を患者の好みで固定する
評価に基づき一貫した方針で関わる看護師ごとにばらばらの対応をする
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 看護師国試
App Store入手