学習トップ理由で解く 看護師国試第6章 ▸ 状況設定 / Q106P092

理由で解く 看護師国試

Q106P092 老年看護学

出典:第106回看護師国家試験(2017)午後 問92
問題
Aさん(82歳、男性)は、介護付の有料老人ホームに入居している。10年前まで会社を経営していた。プロ野球や世界経済に興味があり、友人とインターネットを用いて交流するのを楽しみにしている。Parkinson〈パーキンソン〉病で、現在Hoehn-Yahr〈ホーエン・ヤール〉の重症度分類でステージⅡ。両側の上下肢の静止振戦や動作緩慢がみられる。食事は自分の居室に運んでもらって食べている。身の回りのことは1人でできる。1人での外出も可能だが、転倒に対する恐怖が強いため1日中室内で過ごしている。
Aさんは「最近、尿が出始めるまでに時間がかかるので、排尿時は自分で下腹部を押しています。尿がすっきり出ません」と言う。泌尿器科を受診したところ、Parkinson〈パーキンソン〉病による自律神経障害と診断された。Aさんの現在の状況から最も考えられるのはどれか。
選択肢
1 残尿がある。
2 膀胱が萎縮している。
3 蓄尿障害が生じている。
4 骨盤底筋群の筋力が低下している。
解答
正解1(残尿がある。)
解説

排尿開始遅延・腹圧排尿(下腹部を押す)・残尿感は膀胱を空にできない排出障害の症状で、残尿があると考えられる。

Aさんの訴え『尿が出始めるまで時間がかかる(排尿開始遅延)』『自分で下腹部を押す(腹圧排尿)』『すっきり出ない(残尿感)』は、いずれも膀胱を十分に収縮させて空にできない排出(尿排出)障害の徴候である。Parkinson病の自律神経障害では排尿筋の収縮力低下(低活動膀胱)が起こり得て、膀胱内に尿が残る=残尿が生じる。したがって最も考えられるのは残尿がある状態。

✓ 1. 正しい
残尿がある。
排尿開始遅延・腹圧排尿・残尿感は排出障害の徴候で、膀胱が空にならず残尿が生じている。訴えに合致
✗ 2. 誤り
膀胱が萎縮している。
膀胱萎縮は容量低下による頻尿・蓄尿障害を来し、『出始めに時間がかかる』排出障害の訴えとは異なる
✗ 3. 誤り
蓄尿障害が生じている。
蓄尿障害は尿を溜められない頻尿・尿意切迫・失禁が主症状。Aさんは溜められるが出せない排出障害で逆
✗ 4. 誤り
骨盤底筋群の筋力が低下している。
骨盤底筋低下は腹圧性尿失禁(漏れ)を来す。排尿困難の訴えとは合致しない
ポイント
  • 排尿障害は『蓄尿障害(溜められない)』と『排出障害(出せない)』に大別
  • 排尿開始遅延・腹圧排尿・残尿感=排出障害→残尿
  • Parkinson病の自律神経障害では排尿筋低活動が起こり得る
比較表
蓄尿障害と排出障害の違い
区分主な症状本問との関係
蓄尿障害頻尿・尿意切迫・尿失禁訴えと不一致
排出障害排尿開始遅延・腹圧排尿・残尿感・残尿訴えと一致(正解)
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 看護師国試
App Store入手