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理由で解く 看護師国試

Q106P093 老年看護学

出典:第106回看護師国家試験(2017)午後 問93
問題
Aさん(82歳、男性)は、介護付の有料老人ホームに入居している。10年前まで会社を経営していた。プロ野球や世界経済に興味があり、友人とインターネットを用いて交流するのを楽しみにしている。Parkinson〈パーキンソン〉病で、現在Hoehn-Yahr〈ホーエン・ヤール〉の重症度分類でステージⅡ。両側の上下肢の静止振戦や動作緩慢がみられる。食事は自分の居室に運んでもらって食べている。身の回りのことは1人でできる。1人での外出も可能だが、転倒に対する恐怖が強いため1日中室内で過ごしている。
有料老人ホームの看護師はAさんに病気の進行を予防するために運動を勧めたが、Aさんは「この病気は進行性だからいつかは動けなくなる。今、転ぶと骨折して動けなくなるかもしれない。だから運動するのは嫌だ」と言う。AさんはParkinson〈パーキンソン〉病に関する情報を入手しており、病状の理解ができている。薬物は自己管理できている。かかりつけ医に自分から病状の説明を求めることもある。Aさんの転倒の不安を軽減するために看護師とAさんが一緒に実施することで、最も適切なのはどれか。
選択肢
1 車椅子で外出する。
2 転倒予防教室への参加を検討する。
3 廃用症候群に関する情報を収集する。
4 運動の効果と転倒のリスクとを比較する。
解答
正解2(転倒予防教室への参加を検討する。) または 4(運動の効果と転倒のリスクとを比較する。) 〈複数正答:いずれも正解〉
解説

※本問は複数正答(厚生労働省が複数の選択肢を正解と認定)。選択肢 2/4 のいずれを選んでも正解。

転倒への恐怖が運動回避の要因。転倒予防教室への参加を一緒に検討することで、安全に運動する方法を学べ、恐怖を軽減しつつ活動を維持できる。

Aさんは病状を理解し自律的に自己管理できている一方、『転ぶと骨折して動けなくなる』という転倒恐怖から運動を拒否している。看護師とAさんが『一緒に実施する』具体的な行動として、転倒予防教室への参加を検討することは、転倒しにくい運動方法や環境調整を学ぶ機会となり、恐怖の根拠に直接対処して不安を軽減しながら活動性を保てる。既に病状理解のあるAさんに情報提供や説得を重ねるより、実際に安全を確保する具体策を共に選ぶことが最も適切。

✗ 1. 誤り
車椅子で外出する。
歩行能力が保たれているのに車椅子を使うと廃用を助長し、進行予防・活動維持の方針に反する
✓ 2. 正しい
転倒予防教室への参加を検討する。
安全な運動方法を学び転倒恐怖に直接対処でき、看護師と一緒に検討する行動として最適
✗ 3. 誤り
廃用症候群に関する情報を収集する。
知識提供にとどまり、既に病状を理解しているAさんの転倒不安そのものは軽減しにくい
✓ 4. 正しい
運動の効果と転倒のリスクとを比較する。
Aさんは既に利益とリスクを認識したうえで拒否しており、比較の再提示は不安軽減の具体的行動にならない
ポイント
  • 転倒恐怖が活動を制限する悪循環を断つ支援が重要
  • 自律性の高い患者には説得より安全確保の具体策を共に選ぶ
  • 転倒予防教室=安全な運動方法の習得と自己効力感の向上
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