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理由で解く 看護師国試

Q106P094 老年看護学

出典:第106回看護師国家試験(2017)午後 問94
問題
Aさん(79歳、女性)。自宅の玄関で転倒し、救急外来で第12胸椎の圧迫骨折と診断され、安静目的で入院した。既往歴 : 5年前に大腿骨骨折。現病歴 : 2年前にAlzheimer〈アルツハイマー〉病を発症。記憶障害があるが、失認、観念運動失行および失語はなし。生活歴 : 要介護1。同じ敷地内に住む長男夫婦は仕事をしている。ADLは自立。
入院当日、Aさんは看護師に「ここはどこですか」と同じ質問を繰り返している。このときの看護で最も適切なのはどれか。
選択肢
1 体幹を抑制する。
2 家族に夜間の付き添いを依頼する。
3 ナースステーションにベッドを移動する。
4 骨折で入院していることを繰り返し伝える。
解答
正解4(骨折で入院していることを繰り返し伝える。)
解説

環境変化による見当識障害と不安から同じ質問を繰り返している。その都度、入院の理由と場所を穏やかに繰り返し伝えて安心を促す。

Alzheimer病による記憶障害があるAさんは、入院という環境変化で見当識が保ちにくく、不安から『ここはどこか』を繰り返し尋ねている。認知症ケアの基本は、否定や叱責をせず、その都度分かりやすく現実(骨折で入院していること)を伝えて安心感を与えること。身体抑制は身体・精神への弊害が大きく、切迫性・非代替性・一時性の3要件を満たさない限り行わない。ここでは繰り返し伝える対応が最も適切。

✗ 1. 誤り
体幹を抑制する。
質問の繰り返しは抑制の対象でなく、抑制は苦痛・せん妄悪化を招き適応がない
✗ 2. 誤り
家族に夜間の付き添いを依頼する。
長男夫婦は就労中で第一選択にならず、まず看護師が対応すべき。過剰な負担を強いる
✗ 3. 誤り
ナースステーションにベッドを移動する。
転倒転落の観察に有用な場合はあるが、見当識障害への直接的対応ではなく本問の最適解ではない
✓ 4. 正しい
骨折で入院していることを繰り返し伝える。
見当識と入院理由を穏やかに繰り返し伝え、不安軽減につながる最適な対応
ポイント
  • 認知症の見当識障害には否定せず現実を繰り返し穏やかに伝える
  • 身体抑制は切迫性・非代替性・一時性の3要件が原則
  • 同じ質問の繰り返しは不安の表れ→安心を与える対応を優先
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