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理由で解く 看護師国試

Q106P041 成人看護学

出典:第106回看護師国家試験(2017)午後 問41
問題
Aさん(59歳、女性)は、半年前に下咽頭癌で放射線治療を受けた。口腔内が乾燥し、水を飲まないと話すことも不自由なことがある。Aさんに起こりやすいのはどれか。
選択肢
1 う歯(う蝕)
2 顎骨壊死
3 嗅覚障害
4 甲状腺機能亢進症
解答
正解1(う歯(う蝕))
解説

頭頸部放射線治療による唾液腺障害で口腔乾燥が生じ、唾液の自浄・緩衝作用が低下してう歯(放射線う蝕)が起こりやすい。

頭頸部への放射線治療では照射野に唾液腺が含まれ、唾液分泌が低下して口腔乾燥(口腔乾燥症)が持続する。唾液には自浄作用・緩衝作用・抗菌作用があり、これが低下すると口腔内が酸性・不衛生に傾き、多発性・進行性のう歯(放射線う蝕)が起こりやすくなる。Aさんの「口腔内が乾燥し水を飲まないと話しにくい」という所見は唾液腺障害を示しており、う歯のリスクが高い。顎骨壊死は主にビスホスホネート製剤等に関連する骨壊死(放射線でも起こり得るが、乾燥から直接導かれる代表的合併症はう歯)で本問の第一選択ではなく、嗅覚障害や甲状腺機能亢進症は口腔乾燥から直接生じる所見ではない。よって起こりやすいのはう歯である。

✓ 1. 正しい
う歯(う蝕)
う歯(う蝕):唾液減少で自浄・緩衝作用が低下し放射線う蝕が多発しやすい
✗ 2. 誤り
顎骨壊死
主にビスホスホネート等に関連。口腔乾燥から直接導かれる代表的合併症ではない
✗ 3. 誤り
嗅覚障害
口腔乾燥から直接生じる所見ではない
✗ 4. 誤り
甲状腺機能亢進症
口腔乾燥や下咽頭癌の放射線治療から起こりやすい病態ではない
ポイント
  • 頭頸部放射線治療→唾液腺障害→口腔乾燥
  • 唾液低下で自浄・緩衝作用が減り放射線う蝕が多発
  • 口腔乾燥時は口腔ケアと保湿が重要
比較表
口腔乾燥(唾液低下)の影響
唾液の作用低下による影響
自浄作用食物残渣・細菌が停滞しう歯・歯周病
緩衝作用口腔内が酸性化しう蝕が進行
抗菌作用口腔内感染・カンジダ症のリスク上昇
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