
この図の解説
図の中央を斜めに走る太い筋が胸鎖乳突筋で、この筋が頚部の側面を前後2つの領域に分ける。前方の水色〜黄色に塗られた側が前頚三角、後方の赤色に塗られた側が後頚三角である。前頚三角は「正中線・下顎骨下縁・胸鎖乳突筋前縁」で囲まれ、後頚三角は「胸鎖乳突筋後縁・僧帽筋外側縁・鎖骨」で囲まれる。図では前頚三角がさらに4色(緑=顎下三角、桃=オトガイ下三角、水色=頚動脈三角、黄=筋三角)に細分され、その仕切りが顎二腹筋と肩甲舌骨筋である点に注目したい。後頚三角も肩甲舌骨筋下腹によって上の後頭三角と下の鎖骨上三角に分けられる。臨床上とくに重要なのは水色の頚動脈三角で、ここでは総頚動脈・内頚静脈・迷走神経が浅く走り、脈拍の触知部位となる。鎖骨上三角の深部には鎖骨下動脈が通り、左側にはリンパの最終路である胸管が注ぐ。
学習の要点
- 胸鎖乳突筋を境に前頚三角と後頚三角に分かれ、前頚三角は顎二腹筋・肩甲舌骨筋でさらに4小三角に、後頚三角は肩甲舌骨筋下腹で2小三角に分けられる。
- 覚え方のコツ: 前頚三角の4つは上から「オトガイ下→顎下→頚動脈→筋」と時計回りに、後頚三角は「後頭三角(上)/鎖骨上三角(下)」と上下で覚える。
- 関連知識: 頚動脈三角には総頚動脈・内頚静脈・迷走神経が集まり、この総頚動脈は甲状軟骨の高さで内頚動脈と外頚動脈に分かれる。
- よくある間違い: 頚動脈三角と鎖骨上三角の混同。総頚動脈は頚動脈三角、鎖骨下動脈は鎖骨上三角と、動脈ごとに三角が違う。
- 臨床応用: 頚動脈三角は総頚動脈の拍動を触れる部位で頚動脈洞マッサージの部位、左鎖骨上窩のしこり(ウィルヒョウ転移)は胸管が注ぐ位置と関連する。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
後頚三角を上方の後頭三角と下方の鎖骨上三角に分ける筋は、( )の下腹である。
答えを見る
答え: 肩甲舌骨筋
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。