学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ Q. 頭頸部の体表・局所解剖 / Q1074

理由で解く 解剖学

Q1074 運動器系

出典:鍼灸 第23回(2015) 問題19
問題
腋窩リンパ節に還流する領域はどれか。
選択肢
1 顎下三角
2 筋三角
3 後頸三角
4 聴診三角
解答
正解4(聴診三角)
解説
✗ 1. 誤り
顎下三角
顎下三角(下顎下縁・顎二腹筋前腹・後腹で囲まれる)は顎下腺と顎下リンパ節を含み、顔面・口腔・舌前方部のリンパを受ける。流入先は深頸リンパ節であり、腋窩リンパ節ではない。
✗ 2. 誤り
筋三角
筋三角(前頸三角の一部)は舌骨下筋群がおおう頸部前面で、甲状腺・咽頭・喉頭・気管・食道からのリンパを受ける。これらは頸部深頸リンパ節に流入し、腋窩とは関係がない。
✗ 3. 誤り
後頸三角
後頸三角は頭頸部の皮膚・項部・後頭部からのリンパを集め、浅頸リンパ節・深頸リンパ節を経て頸リンパ本幹に入る。腋窩リンパ節には流入しない。
✓ 4. 正しい
聴診三角
聴診三角は僧帽筋の外下縁・広背筋の上縁・肩甲骨内側縁に囲まれた背部の三角で、胸壁を覆う筋層が薄く、呼吸音の聴取に適するためこの名がある。この領域を含む背側上部・側胸部・上肢のリンパは、乳房・側胸部・上肢全般のリンパとともに腋窩リンパ節へ還流する。腋窩リンパ節群は最終的に鎖骨下リンパ本幹を経て左では胸管、右では右リンパ本幹に注ぐ。
ポイント
  • 聴診三角(僧帽筋外下縁・広背筋上縁・肩甲骨内側縁)は背部のリンパが腋窩リンパ節に還流する領域。
  • 覚え方のコツ: 「腋窩リンパ節=上肢+乳房+側胸部+背部上部」のセットで覚える。頸部三角のリンパは深頸→頸リンパ本幹。
  • 関連知識: 腋窩リンパ節は5群(外側・胸筋・肩甲下・中央・尖)に分類され、乳癌の転移経路として臨床的に重要。
  • よくある間違い: 後頸三角も「腋窩に近い」と誤って選ぶ/聴診三角が頸部三角と勘違いされる(実際は背部の三角)。
  • 臨床応用: 乳癌の腋窩リンパ節郭清・センチネルリンパ節生検の対象。上肢・胸壁の感染症でも腋窩リンパ節が腫脹する。
比較表
三角 部位 還流先リンパ節
顎下三角 頸部前上方 顎下リンパ節→深頸リンパ節
筋三角 頸部前面 深頸リンパ節
後頸三角 頸部外側 浅・深頸リンパ節
聴診三角 背部(肩甲骨内側下方) 腋窩リンパ節
解説画像
鍼灸 第23回(2015) 問題19|腋窩リンパ節に還流する領域はどれか。 解説図
鍼灸 第23回(2015) 問題19|腋窩リンパ節に還流する領域はどれか。
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