
この図の解説
図は体幹の皮下リンパ管の走行を示している。まず左右の腋窩と鼠径に、リンパ管が放射状に集まる密な結節群(腋窩リンパ節・鼠径リンパ節)が描かれている点に注目したい。体幹の皮膚のリンパは、この2つの集合地点に向かって流れていく。境界となるのが臍の高さで、図では「臍より上のリンパは腋窩リンパ節へ」「臍より下のリンパは鼠径リンパ節へ」と分水嶺が示されている。からだの各部には、一定の領域から流出したリンパ管が必ず経由するリンパ節(所属リンパ節)があり、上半身体幹・上肢のリンパは腋窩リンパ節、骨盤・下肢のリンパは鼠径リンパ節がその代表である。リンパ節はリンパ管の合流部にあるソラマメ型の濾過装置で、リンパ内に入った細菌・異物・がん細胞を捕えて除去する。そのためがんの転移や炎症の広がりを読むうえで、どの領域がどのリンパ節に注ぐかを押さえることが重要になる。
学習の要点
- 体幹皮下のリンパは臍を境に分かれ、臍より上は腋窩リンパ節、臍より下は鼠径リンパ節に集まる。
- 覚え方のコツ: 「へそから上は脇(腋窩)、へそから下は足の付け根(鼠径)」。手を挙げて上下に振り分けるイメージ。
- 関連知識: 骨盤と下肢のリンパは鼠径リンパ節に集まり、そこから腰リンパ本幹をへて乳び槽・胸管へ上行する。左上肢と左乳房のリンパは左鎖骨下リンパ本幹をへて胸管に注ぐ。
- よくある間違い: リンパ節はリンパを「作る」場所ではなく、流れてきたリンパを「濾過」する関所である。リンパ管の途中(合流部)に置かれる。
- 臨床応用: 乳がんは腋窩リンパ節へ、下肢・外陰部のがんや炎症は鼠径リンパ節へ転移・波及しやすく、これらは触知しやすい所属リンパ節として診察対象になる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
骨盤と下肢のリンパは( )リンパ節に集まり、そこから腰リンパ本幹に注ぐ。
答えを見る
答え: 鼠径
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。