学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ G. 頭蓋骨 / Q0854

理由で解く 解剖学

Q0854 運動器系

出典:あマ指 第14回(2006) 問題17
問題
後頭蓋窩にみられるのはどれか。
選択肢
1 トルコ鞍
2 正円孔
3 内耳孔
4 破裂孔
解答
正解3(内耳孔)
解説
✗ 1. 誤り
トルコ鞍
トルコ鞍は蝶形骨体の上面にウマの鞍状に形成される構造で、中央のくぼみ(下垂体窩)に下垂体を収める。中頭蓋窩の中央部に位置するので、後頭蓋窩には属さない。
✗ 2. 誤り
正円孔
正円孔は蝶形骨大翼の基部に開く孔で、三叉神経第2枝の上顎神経(V-2)を通す。大翼は中頭蓋窩の主体をなすため、正円孔も中頭蓋窩にある。後頭蓋窩の構造ではない。
✓ 3. 正しい
内耳孔
内耳孔は側頭骨錐体の後面に開く孔で、後頭蓋窩の外側前方に位置する。顔面神経(VII)と内耳神経(VIII)がここを通って内耳道に入る。後頭蓋窩は主として後頭骨からなり、中央には延髄の出る大後頭孔、錐体と後頭骨の縫合部には内頸静脈・舌咽神経・迷走神経・副神経が通る頸静脈孔、大後頭孔の前外側には舌下神経管が開く。
✗ 4. 誤り
破裂孔
破裂孔は蝶形骨と側頭骨錐体との間にできる裂隙で、中頭蓋窩の卵円孔のすぐ内側にある。生体では軟骨で埋められ、錐体を貫いてきた頸動脈管がここに開口して内頸動脈が頭蓋腔に入る。位置的には中頭蓋窩の底で、後頭蓋窩ではない。
ポイント
  • 内耳孔は側頭骨錐体後面に開き、顔面神経(VII)と内耳神経(VIII)を通す後頭蓋窩の構造である。
  • 覚え方のコツ: 内頭蓋底は「前(篩板・鶏冠)→中(トルコ鞍・正円・卵円・棘・破裂)→後(内耳・頸静脈・舌下神経・大後頭)」の3段階で段差をイメージ。脳神経も「嗅→視→III-V1→V2→V3→VII-VIII→IX-XI→XII」で前後に並ぶ。
  • 関連知識: 後頭蓋窩には内耳孔(VII・VIII)、頸静脈孔(IX〜XI+内頸静脈)、舌下神経管(XII)、大後頭孔(延髄・椎骨動脈・副神経脊髄根)が開く。中頭蓋窩の孔(視神経管・上眼窩裂・正円孔・卵円孔・棘孔・破裂孔)と区別する。
  • よくある間違い: 破裂孔を後頭蓋窩の孔と誤認する/内耳孔(錐体後面)と外耳孔(側頭骨外面)を混同する/頸静脈孔を中頭蓋窩と勘違いする。
  • 臨床応用: 錐体後面の内耳道内腫瘍(聴神経鞘腫=前庭神経シュワノーマ)では、内耳孔を通る内耳神経の圧迫で感音難聴・めまいが、進展すると顔面神経麻痺や三叉神経症状が出現する。
比較表
頭蓋窩 主な構成骨 代表的な孔・構造 通過する神経等
前頭蓋窩 前頭骨・篩骨・蝶形骨小翼 篩板・鶏冠 嗅神経(I)
中頭蓋窩 蝶形骨大翼・側頭骨錐体前面 視神経管/上眼窩裂/正円孔/卵円孔/棘孔/破裂孔/トルコ鞍 II/III・IV・V1・VI/V2/V3/中硬膜動脈/内頸動脈
後頭蓋窩 後頭骨・側頭骨錐体後面 内耳孔/頸静脈孔/舌下神経管/大後頭孔 VII・VIII/IX・X・XI・内頸静脈/XII/延髄・椎骨動脈
解説画像
あマ指 第14回(2006) 問題17|後頭蓋窩にみられるのはどれか。 解説図
あマ指 第14回(2006) 問題17|後頭蓋窩にみられるのはどれか。
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