学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ G. 頭蓋骨 / Q0855

理由で解く 解剖学

Q0855 運動器系

出典:鍼灸 第15回(2007) 問題18
問題
下顎骨にみられないのはどれか。
選択肢
1 下顎角
2 下顎頚
3 下顎窩
4 下顎枝
解答
正解3(下顎窩)
解説
✗ 1.
下顎角
✗ 正しい。 下顎角は下顎骨の下顎体から下顎枝への移行部下端でL字状に突出する部分で、体表からよく触知できる下顎骨の構造である。咬筋・内側翼突筋が付着し、咬合力を発生する上での要点となる。
✗ 2.
下顎頚
✗ 正しい。 下顎頚(下顎頸)は下顎枝上端の関節突起で、下顎頭のすぐ下のくびれた部分をさす下顎骨の構造である。外側翼突筋の一部が付着し、下顎頭を支える。
✓ 3. 誤り
下顎窩
下顎窩は側頭骨鱗部の頬骨突起基部下面にあるくぼみで、下顎骨の下顎頭を受けて顎関節を形成する側頭骨の構造である。下顎骨ではなく、下顎骨と向き合う側(関節面)にあることから名前に「下顎」が付くだけで、下顎骨上の構造ではない点が本問のポイントである。外頭蓋底で下顎窩の直後に外耳孔が開く。
✗ 4.
下顎枝
✗ 正しい。 下顎枝は下顎体から後上方に伸びる縦長の板状部で、上端は前方の筋突起と後方の関節突起(下顎頭)に分かれる。咀嚼筋(咬筋・側頭筋・翼突筋群)の付着部となり、内面の下顎孔から下顎管が始まる下顎骨の構造である。
ポイント
  • 「下顎」と名前に付いても下顎窩は側頭骨の構造で、下顎頭を受け顎関節を形成する。
  • 覚え方のコツ: 顎関節は「下顎頭(下顎骨)× 下顎窩(側頭骨)」のペアで完成する。「〜窩(くぼみ)は相手側の骨にあり、頭が受けてもらう側」と覚える(例: 関節窩×上腕骨頭も同じパターン)。
  • 関連知識: 下顎骨の主要構造は下顎体(オトガイ・歯槽部)、下顎枝、下顎角、関節突起(下顎頭・下顎頸)、筋突起、下顎孔、オトガイ孔。関節円板(線維軟骨)が下顎窩と下顎頭の間に介在し、上下運動・前進後退・側方回旋を可能にする。
  • よくある間違い: 「下顎」の字に引きずられて下顎窩を下顎骨上の構造と誤認する/下顎頸と下顎頭を混同する/筋突起を側頭骨の突起と勘違いする。
  • 臨床応用: 顎関節症では下顎窩と下顎頭の間の関節円板の前方転位・変形が起こり、開口時のクリック音・開口障害・疼痛をきたす。下顎骨骨折は下顎角部に多く、咬合不全を生じる。
比較表
構造 所属する骨 役割
下顎頭 下顎骨(関節突起先端) 顎関節の関節頭
下顎頸 下顎骨(関節突起のくびれ) 外側翼突筋の付着
下顎角 下顎骨(体と枝の移行部) 咬筋・内側翼突筋の付着
下顎枝 下顎骨 咀嚼筋の付着板
下顎窩 側頭骨(鱗部下面) 顎関節の関節窩(相手方)
解説画像
鍼灸 第15回(2007) 問題18|下顎骨にみられないのはどれか。 解説図
鍼灸 第15回(2007) 問題18|下顎骨にみられないのはどれか。
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