学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ C. 脊柱 / Q0784

理由で解く 解剖学

Q0784 運動器系

出典:鍼灸 第15回(2007) 問題19
問題
胸椎にみられないのはどれか。
選択肢
1 前結節
2 棘突起
3 関節突起
4 椎孔
解答
正解1(前結節)
解説
✓ 1. 誤り
前結節
前結節は頸椎横突起の先端、脊髄神経溝の前方にある突起で、退化した肋骨成分に相当する。C6前結節は頸動脈結節(Chassaignac結節)として総頸動脈を圧迫できる位置にあり、頸椎特有の構造である。胸椎には存在しない。胸椎の横突起は先端に横突肋骨窩を備え、肋骨結節と関節する(肋横突関節)。このため胸椎では肋骨が独立して発達し、前結節・後結節や横突孔のような頸椎特有の構造はみられない。したがって本選択肢が設問の正解となる。
✗ 2.
棘突起
✗ 正しい。 棘突起は椎弓後方から後下方に突出する無対の突起で、胸椎では長く下後方に傾斜がついて屋根瓦状に重なり合う。棘突起は椎骨に共通する基本構造であり、すべての椎骨(胸椎も含む)に認められる。
✗ 3.
関節突起
✗ 正しい。 関節突起(上関節突起・下関節突起)は椎弓の基部から上下に1対ずつ出る基本構造で、椎骨同士を連結する椎間関節を形成する。胸椎でもこれは認められ、上下の胸椎が互いに関節する。
✗ 4.
椎孔
✗ 正しい。 椎孔は椎体と椎弓で囲まれた空間で、椎骨が連なって脊柱管をつくり脊髄を収納する。胸椎にも当然存在し、胸椎では椎孔はほぼ円形をとる(頸椎は三角形、腰椎は三角〜卵円形)。
ポイント
  • 前結節・後結節・横突孔は頸椎横突起のみにみられる特有構造。胸椎は肋骨と関節する肋骨窩・横突肋骨窩をもつ。
  • 覚え方のコツ: 「頸=横突孔と前後結節、胸=肋骨窩、腰=大きな椎体と肋骨突起」と部位特有構造を3点で整理する。
  • 関連知識: 頸椎横突起では、前部が退化した肋骨成分(前結節)、後部が本来の横突起(後結節)で、両者に挟まれた横突孔をC1〜C6で椎骨動脈が上行する。
  • よくある間違い: 前結節を「前仙骨孔」「前縦靭帯の付着部」等と取り違える/胸椎にも横突孔があると思い込む。
  • 臨床応用: C6前結節は頸動脈結節(Chassaignac結節)と呼ばれ、総頸動脈を圧迫して止血に使うことができ、頸動脈洞マッサージの際にも目印となる。
比較表
特徴的構造 頸椎 胸椎 腰椎
横突孔 あり(C1〜6に椎骨動脈) なし なし
前結節・後結節 あり なし なし
肋骨窩・横突肋骨窩 なし あり なし
椎体の大きさ 小・楕円 大・太い
棘突起の形 水平・2裂(中位) 長く下後方傾斜 水平・幅広
解説画像
鍼灸 第15回(2007) 問題19|胸椎にみられないのはどれか。 解説図
鍼灸 第15回(2007) 問題19|胸椎にみられないのはどれか。
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