学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ C. 脊柱 / Q0783

理由で解く 解剖学

Q0783 運動器系

出典:鍼灸 第10回(2002) 問題16
問題
誤っている記述はどれか。
選択肢
1 輪状軟骨は第6 頚椎の高さにある。
2 胸骨角の部位に第3 肋骨が付く。
3 胸郭の下縁を通る水平面には第2-3 腰椎間の椎間板がある。
4 ヤコビー線は第4-5 腰椎の棘突起間を通る。
解答
正解2(胸骨角の部位に第3 肋骨が付く。)
解説
✗ 1.
輪状軟骨は第6 頚椎の高さにある。
✗ 正しい。 輪状軟骨は気管軟骨の上端に位置し、体表から甲状軟骨(第5頸椎水準)のすぐ下に触れる。輪状軟骨は第6頸椎の高さにあり、咽頭〜食道移行部や反回神経・下甲状腺動脈のランドマークとなる正しい記述である。
✓ 2. 誤り
胸骨角の部位に第3 肋骨が付く。
胸骨角は胸骨柄と胸骨体の結合縁がわずかに前方へ屈曲した隆起で、そこに付着する肋軟骨は「第2肋骨」の肋軟骨である。第3肋骨ではない。胸骨角は肋骨の数え始めの基準点として臨床的に最も重要な体表ランドマークの一つで、体表から胸骨角を外側にたどると第2肋骨→第2肋間→第3肋骨…と順に触知できる。胸骨角の水準は第4〜5胸椎の椎間円板(T4/T5)に相当し、気管分岐部・大動脈弓の上縁・肺動脈分岐の水準とも一致する重要な水平面である。したがって「第3肋骨」とする記述は誤りで、この選択肢が設問の正解(誤っている記述)となる。
✗ 3.
胸郭の下縁を通る水平面には第2-3 腰椎間の椎間板がある。
✗ 正しい。 胸郭下口は左右の肋骨弓と剣状突起で囲まれ、第12胸椎・第11-12肋骨先端・第10肋骨前端を通る。この水平面はほぼL2-L3椎間板水準に相当し、正しい記述。臍がL3-L4の高さにあることとあわせて体幹水準の基本として重要である。
✗ 4.
ヤコビー線は第4-5 腰椎の棘突起間を通る。
✗ 正しい。 ヤコビー線は左右の腸骨稜最高点を結んだ水平線で、通常L4棘突起またはL4-L5棘突起間を通る。腰椎穿刺(脊髄クモ膜下麻酔・髄液採取)時の穿刺部位の目安として広く用いられる正しい記述である。
ポイント
  • 胸骨角(Louis角)は第2肋骨(肋軟骨)付着部であり、肋骨を数える基準点。胸骨角水準は気管分岐部、大動脈弓上縁、肺動脈分岐、T4/T5椎間板というきわめて情報密度の高い水平面。
  • 覚え方のコツ: 体幹の基準を「2・4・6・10」で暗記。甲状軟骨=C5、輪状軟骨=C6、胸骨角=第2肋骨/T4・T5、胸郭下口=L2-L3、ヤコビー線=L4。
  • 関連知識: 真肋は第1〜7肋で個々の肋軟骨で胸骨に連結し、仮肋(第8〜10)は上位肋軟骨を介して連結、浮遊肋(第11・12)は先端が遊離。第7〜10肋軟骨は連結して肋骨弓を形成する。
  • よくある間違い: 胸骨角を「第1肋骨」や「第3肋骨」と誤記憶しやすい。胸骨柄上縁の頸切痕に付くのは第1肋軟骨、胸骨角に付くのが第2肋軟骨と整理する。
  • 臨床応用: ヤコビー線を指標とする腰椎穿刺はL3/L4またはL4/L5棘突起間で施行し、成人では脊髄円錐下端(L1-L2)より下で脊髄損傷のリスクを避けられる。胸骨角は心エコー・気管支鏡検査の目安。
比較表
体表ランドマーク 対応レベル 臨床的意義
甲状軟骨 C5 気管切開の上方境界
輪状軟骨 C6 気管輪状間切開・咽頭食道移行部
頸切痕 T2〜T3 胸郭上口前端・CVカテ基準
胸骨角 第2肋骨・T4/T5 気管分岐部・肋骨カウント基準
剣状突起 T9 胸郭下口の中心
胸郭下口 L2-L3 横隔膜起始
ヤコビー線 L4(棘突起) 腰椎穿刺
解説画像
鍼灸 第10回(2002) 問題16|誤っている記述はどれか。 解説図
鍼灸 第10回(2002) 問題16|誤っている記述はどれか。
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