学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ G. 頭蓋骨 / Q0853

理由で解く 解剖学

Q0853 運動器系

出典:あマ指 第12回(2004) 問題18
問題
側頭骨にみられるのはどれか。
選択肢
1 乳様突起
2 翼状突起
3 筋突起
4 歯槽突起
解答
正解1(乳様突起)
解説
✓ 1. 正しい
乳様突起
乳様突起は側頭骨の岩様部(乳突部)が外側下方に大きく膨隆してできた突起で、耳介の後下方に体表から触知できる。胸鎖乳突筋・頭板状筋・頭最長筋の停止部となり、内部には中耳(鼓室)と連絡する多数の小胞(乳突蜂巣)をもつ。乳突蜂巣は中耳の一部であるため、中耳炎が乳突蜂巣に波及すると乳様突起炎(乳突炎)として慢性化しやすい。
✗ 2. 誤り
翼状突起
翼状突起は蝶形骨の下方に1対伸びる突起で、後鼻孔の外側壁と鼻腔外側壁の後方部をつくる。内側板と外側板からなり、軟口蓋の筋や内側翼突筋の起始部となる。側頭骨ではなく蝶形骨の一部である。
✗ 3. 誤り
筋突起
筋突起は下顎骨の下顎枝上端のうち前方に伸びる突起で、側頭筋の停止部となる。後方の関節突起(下顎頭)と対をなすが、側頭骨ではなく下顎骨の構造である。
✗ 4. 誤り
歯槽突起
歯槽突起は上顎骨体から下方に出て歯を植立させる部分で、顔面頭蓋を構成する上顎骨の突起である。下顎側では下顎体上縁の歯槽部が相当するが、いずれにせよ側頭骨の構造ではない。
ポイント
  • 乳様突起は側頭骨岩様部(乳突部)にあり、胸鎖乳突筋停止部・内部に乳突蜂巣をもつ。
  • 覚え方のコツ: 突起と骨の対応は「乳=側頭/翼=蝶形/筋=下顎/歯槽=上顎(下顎)」と頭文字で紐付け。側頭骨からはもう1つ、下前方に伸びる茎状突起も出ることをセットで記憶。
  • 関連知識: 側頭骨には鱗部・鼓室部・岩様部(錐体部+乳突部)の3部があり、岩様部から乳様突起・茎状突起・頬骨突起(鱗部からも)が伸びる。茎乳突孔からは顔面神経が出る。
  • よくある間違い: 乳様突起と茎状突起を混同する/翼状突起を側頭骨の構造と思い込む/筋突起・関節突起を側頭骨の突起と誤認する。
  • 臨床応用: 中耳炎から乳突蜂巣に炎症が波及した乳突炎では、耳後部の発赤・腫脹・圧痛が出現する。乳様突起の直下を走る顔面神経が炎症波及で障害されると末梢性顔面神経麻痺を生じる。
比較表
突起 所属する骨 特徴
乳様突起 側頭骨(岩様部の乳突部) 胸鎖乳突筋停止、乳突蜂巣を含有
茎状突起 側頭骨(岩様部下面) 茎突舌骨筋などの付着部
翼状突起 蝶形骨 内側板・外側板、軟口蓋筋の起始
筋突起・関節突起 下顎骨(下顎枝上端) 前が筋突起(側頭筋停止)、後が関節突起(下顎頭)
歯槽突起 上顎骨 歯が並ぶ
解説画像
あマ指 第12回(2004) 問題18|側頭骨にみられるのはどれか。 解説図
あマ指 第12回(2004) 問題18|側頭骨にみられるのはどれか。
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