学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ E. 上肢の骨格 / Q0808

理由で解く 解剖学

Q0808 運動器系

出典:あマ指 第12回(2004) 問題19
問題
橈骨にみられるのはどれか。
選択肢
1 滑車切痕
2 尺骨切痕
3 鈎状突起
4 橈骨切痕
解答
正解2(尺骨切痕)
解説
✗ 1. 誤り
滑車切痕
滑車切痕は尺骨上端前面の半月状のくぼみで、上腕骨滑車を受け入れて腕尺関節を形成する。尺骨に限定される構造で橈骨にはない。
✓ 2. 正しい
尺骨切痕
尺骨切痕は橈骨下端内側にある浅いくぼみで、尺骨頭の関節環状面を受け入れて下橈尺関節(車軸関節)をつくる。前腕の回内・回外運動において、橈骨が尺骨頭の周りを回転する土台となる重要構造である。名称に「尺骨」とあるが所属する骨は橈骨であり、切痕の相手(受け入れる骨)を指す命名規則に基づく。対応して尺骨上端には「橈骨切痕」があり、これは尺骨側にあって橈骨頭を受け入れる。つまり両骨は「互いに相手の名を冠する切痕」を持つ相補関係にある。
✗ 3. 誤り
鈎状突起
鉤状突起は尺骨の滑車切痕下縁前方に突出する釣り針状の突起である。肘関節屈曲時に上腕骨の鉤突窩に入り込む。尺骨特有で橈骨にはない。
✗ 4. 誤り
橈骨切痕
橈骨切痕は尺骨上端外側にあるくぼみで、橈骨頭の関節環状面を受け入れて上橈尺関節(車軸関節)をなす。名前は「橈骨」を含むが所属骨は尺骨側である。命名の紛らわしさに注意。
ポイント
  • 「尺骨切痕は橈骨にあり、橈骨切痕は尺骨にある」という相補関係。切痕名は「受け入れる相手の骨名」で命名される。
  • 覚え方のコツ: 「切痕は相手の名、所属は逆」。尺骨切痕→橈骨、橈骨切痕→尺骨。上端では橈尺関節(上)、下端では橈尺関節(下)を形成し、いずれも車軸関節。
  • 関連知識: 橈骨の主要部位は橈骨頭・橈骨頸・橈骨粗面・橈骨体・茎状突起・尺骨切痕・背側結節(リスター結節)など。尺骨の主要部位は肘頭・鉤状突起・滑車切痕・橈骨切痕・尺骨頭・茎状突起。
  • よくある間違い: 「尺骨切痕」を尺骨にあると直感で誤答/滑車切痕を橈骨に誤配置/鉤状突起を橈骨の橈骨粗面と混同。
  • 臨床応用: 下橈尺関節の損傷(TFCC損傷・関節円板損傷)では回内・回外に痛みを伴い、手関節尺側痛の鑑別対象となる。橈骨遠位端骨折後の変形治癒例でもこの関節の機能障害を来す。
比較表
切痕名 所属する骨 受け入れる相手 関節
橈骨切痕 尺骨(上端外側) 橈骨頭 上橈尺関節(車軸)
尺骨切痕 橈骨(下端内側) 尺骨頭 下橈尺関節(車軸)
滑車切痕 尺骨(上端前面) 上腕骨滑車 腕尺関節(蝶番)
解説画像
あマ指 第12回(2004) 問題19|橈骨にみられるのはどれか。 解説図
あマ指 第12回(2004) 問題19|橈骨にみられるのはどれか。
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