学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ M. 下肢の筋 / Q1019

理由で解く 解剖学

Q1019 運動器系

出典:あマ指 第28回(2020) 問題19
問題
下肢帯の筋で下殿神経に支配されるのはどれか。
選択肢
1 大殿筋
2 中殿筋
3 梨状筋
4 内閉鎖筋
解答
正解1(大殿筋)
解説
✓ 1. 正しい
大殿筋
下殿神経(L5〜S2)は仙骨神経叢の背側から出て、梨状筋下孔を通って寛骨後面に達し、大殿筋のみを支配する。大殿筋は股関節の主要伸展筋で、大殿筋麻痺では立ち上がり・階段昇段・走行が著しく困難となる。下殿神経は梨状筋下孔を出てすぐに大殿筋の深層に入り込むため、他の筋にはほとんど分枝しない点が特徴である。
✗ 2. 誤り
中殿筋
中殿筋は上殿神経(L4〜S1)に支配される。上殿神経は梨状筋上孔を通って小殿筋と中殿筋の間を外側に走り、大腿筋膜張筋に至る。
✗ 3. 誤り
梨状筋
梨状筋は仙骨神経叢から直接出る筋枝(S1〜2由来)により支配される。下殿神経ではない。
✗ 4. 誤り
内閉鎖筋
内閉鎖筋は仙骨神経叢から出る内閉鎖筋神経(L5〜S2)により支配される。下殿神経は大殿筋専属の神経である。
ポイント
  • 下殿神経は大殿筋のみを支配する専属神経。梨状筋下孔を通り、坐骨神経・陰部神経・内陰部動静脈と同じ通路を共有。
  • 覚え方のコツ: 「下殿神経=大殿筋だけ」「上殿神経=中殿筋・小殿筋・大腿筋膜張筋(3筋)」と数で区別。
  • 関連知識: 梨状筋下孔を通る神経・血管:下殿神経、坐骨神経、後大腿皮神経、陰部神経、下殿動静脈、内陰部動静脈。
  • よくある間違い: 梨状筋・内閉鎖筋・大腿方形筋を下殿神経支配と誤認する(これらは仙骨神経叢の直接筋枝)。
  • 臨床応用: 殿筋内注射で下殿神経を損傷すると大殿筋麻痺を起こすため、中殿筋前上部(クラークの点)を選択する。
比較表
神経 通路 支配筋
上殿神経(L4〜S1) 梨状筋上孔 中殿筋、小殿筋、大腿筋膜張筋
下殿神経(L5〜S2) 梨状筋下孔 大殿筋
坐骨神経(L4〜S3) 梨状筋下孔 大腿屈筋群、下腿・足の筋
陰部神経(S2〜4) 梨状筋下孔→小坐骨孔 会陰部の筋・皮膚
解説画像
あマ指 第28回(2020) 問題19|下肢帯の筋で下殿神経に支配されるのはどれか。 解説図
あマ指 第28回(2020) 問題19|下肢帯の筋で下殿神経に支配されるのはどれか。
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