学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ M. 下肢の筋 / Q1020

理由で解く 解剖学

Q1020 運動器系

出典:鍼灸 第29回(2021) 問題16
問題
大腿の筋で大腿神経に支配されるのはどれか。
選択肢
1 大腿二頭筋
2 薄 筋
3 半伳様筋
4 縫工筋
解答
正解4(縫工筋)
解説
✗ 1. 誤り
大腿二頭筋
大腿二頭筋はハムストリングスの一つで、長頭は坐骨神経の脛骨神経部、短頭は総腓骨神経部により支配される。大腿神経ではない。
✗ 2. 誤り
薄 筋
薄筋は内転筋群の一員として閉鎖神経に支配される。股関節の内転と膝関節の屈曲・内旋を行うが、大腿神経支配ではない。
✗ 3. 誤り
半伳様筋
半腱様筋はハムストリングスの一つで、坐骨結節から起こり鵞足を形成して脛骨粗面内側に停止する。坐骨神経(脛骨神経部)に支配される。
✓ 4. 正しい
縫工筋
縫工筋は上前腸骨棘から起こり、大腿前面を斜めに横切って脛骨粗面内側(鵞足)に停止する人体最長の筋で、大腿神経(L2〜4)に支配される。股関節の屈曲・外転・外旋と膝関節の屈曲・内旋を行う2関節筋で、あぐらをかく動作で顕著に働く。大腿神経は大腿四頭筋・縫工筋・恥骨筋の運動支配と、大腿前面(前皮枝)・下腿内側(伏在神経)の皮膚感覚を担う。
ポイント
  • 大腿神経(L2〜4)は大腿四頭筋・縫工筋・恥骨筋を支配。大腿前面と下腿内側(伏在神経)の皮膚感覚も担う。
  • 覚え方のコツ: 「大腿前面=大腿神経」「大腿内側=閉鎖神経」「大腿後面=坐骨神経」の3区分で記憶。
  • 関連知識: 大腿神経は大腰筋と腸骨筋の間を下行し、筋裂孔を通って大腿三角に至る。皮枝として前皮枝と伏在神経を分枝。
  • よくある間違い: 鵞足3筋(縫工・薄・半腱様)がすべて同じ神経支配と思い込む(実際は大腿・閉鎖・坐骨で異なる)。
  • 臨床応用: 大腿神経麻痺では膝伸展力低下と大腿前面の感覚障害が生じ、階段降下・椅子からの立ち上がりが困難となる。糖尿病性神経障害や腰椎椎間板ヘルニア(L3/4)で好発。
比較表
神経 支配領域(大腿)
大腿神経 前面の伸筋群(大腿四頭筋)、縫工筋、恥骨筋
閉鎖神経 内側の内転筋群(長・短・大内転筋、薄筋、外閉鎖筋)
坐骨神経 後面の屈筋群(大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋)
解説画像
鍼灸 第29回(2021) 問題16|大腿の筋で大腿神経に支配されるのはどれか。 解説図
鍼灸 第29回(2021) 問題16|大腿の筋で大腿神経に支配されるのはどれか。
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