学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ H. 体幹の筋 / Q0896

理由で解く 解剖学

Q0896 運動器系

出典:あマ指 第28回(2020) 問題18
問題
背部の筋で脊髄神経後枝に支配されるのはどれか。
選択肢
1 広背筋
2 僧帽筋
3 上後鋸筋
4 頭板状筋
解答
正解4(頭板状筋)
解説
✗ 1. 誤り
広背筋
広背筋は浅背筋(本来の上肢帯の筋)で、腕神経叢から出る胸背神経(C6〜C8)に支配される。脊髄神経後枝の支配を受けるのは固有背筋(深背筋第2層)で、浅背筋は該当しない。
✗ 2. 誤り
僧帽筋
僧帽筋の運動支配は副神経(第XI脳神経)で、感覚・固有受容を第2〜4頸神経前枝が担当する。脊髄神経後枝による支配ではない。僧帽筋は浅背筋に属し、発生学的には上肢帯の筋である。
✗ 3. 誤り
上後鋸筋
上後鋸筋は深背筋第1層(棘肋筋)に属し、下後鋸筋とともに肋間神経支配である。発生学的に肋間筋と同じ筋群由来のため脊髄神経前枝(肋間神経)支配となり、後枝ではない。この点で第2層の固有背筋と区別される。
✓ 4. 正しい
頭板状筋
頭板状筋は深背筋第2層(固有背筋)に属し、板状筋の一部として脊髄神経後枝の支配を受ける。下位頸椎〜上位胸椎の棘突起から起こり側頭骨乳様突起に停止し、頭の後屈・同側回旋・側屈に働く。固有背筋(板状筋・脊柱起立筋・横突棘筋・後頭下筋)はすべて脊髄神経後枝支配で、体幹の基本的な姿勢保持を担う。
ポイント
  • 脊髄神経後枝支配=固有背筋(深背筋第2層)=板状筋・脊柱起立筋・横突棘筋・後頭下筋群。
  • 覚え方のコツ: 「浅背筋と深背筋第1層は『外から来た筋』→前枝系(腕神経叢・肋間神経・副神経)」「深背筋第2層は『本来の背筋』→後枝」と由来で整理する。
  • 関連知識: 脊髄神経後枝は分節性を保ち背部の固有背筋と皮膚に分布。C1後枝=後頭下神経、C2後枝の皮枝=大後頭神経(後頭部の皮膚感覚)。
  • よくある間違い: 上後鋸筋を固有背筋と誤る(第1層は肋間神経支配)/僧帽筋の運動支配を頸神経後枝と誤る(副神経支配)。
  • 臨床応用: 慢性腰痛の一因として固有背筋(特に多裂筋)の機能不全が注目される。後枝の走行上、鍼灸では背部の多裂筋・最長筋への施術が頻用される。
比較表
背筋の層 支配神経
浅背筋 僧帽筋 副神経+C2〜4
浅背筋 広背筋 胸背神経
浅背筋 菱形筋・肩甲挙筋 肩甲背神経
深背筋第1層 上・下後鋸筋 肋間神経(前枝系)
深背筋第2層(固有背筋) 板状筋・脊柱起立筋・横突棘筋 脊髄神経後枝
後頭下筋群 大後頭直筋等 後頭下神経(C1後枝)
解説画像
あマ指 第28回(2020) 問題18|背部の筋で脊髄神経後枝に支配されるのはどれか。 解説図
あマ指 第28回(2020) 問題18|背部の筋で脊髄神経後枝に支配されるのはどれか。
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