学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ M. 下肢の筋 / Q0981

理由で解く 解剖学

Q0981 運動器系

出典:鍼灸 第2回(1994) 問題19
問題
大腿骨粗線に停止しない筋はどれか。
選択肢
1 薄筋
2 長内転筋
3 短内転筋
4 大内転筋
解答
正解1(薄筋)
解説
✓ 1. 正しい
薄筋
薄筋は恥骨下枝前面から起こり、脛骨粗面の内側(鵞足)に停止する。大腿骨粗線には停止しない。大腿内転筋群のなかで唯一下腿骨まで及ぶ2関節筋で、股関節の内転と膝関節の屈曲・内旋を行う。薄筋は縫工筋・半腱様筋とともに鵞足を形成し、膝関節包の内側補強と骨盤安定に関与する。内転筋群の他の筋(長・短・大内転筋)はすべて大腿骨に停止するのに対し、薄筋だけが下腿骨まで伸びる例外として覚える。閉鎖神経支配で、自家移植用の筋弁として外科的にも利用される。
✗ 2. 誤り
長内転筋
長内転筋は恥骨体前面から起こり、大腿骨粗線内側唇(中1/3)に停止する。閉鎖神経支配で股関節を内転・屈曲する。
✗ 3. 誤り
短内転筋
短内転筋は恥骨下枝外面から起こり、大腿骨粗線内側唇(上部)に停止する。長内転筋の深層にあり、同様に閉鎖神経支配で股関節を内転・屈曲する。
✗ 4. 誤り
大内転筋
大内転筋は恥骨下枝・坐骨枝・坐骨結節から起こり、大腿骨粗線内側唇の広い範囲と内転筋結節(遠位)に停止する。内転筋群最大の筋で、閉鎖神経と坐骨神経の二重支配を受ける。
ポイント
  • 薄筋は内転筋群で唯一、脛骨粗面内側(鵞足)に停止する2関節筋。他の内転筋は大腿骨粗線に停止する。
  • 覚え方のコツ: 「薄筋だけ膝を越える(鵞足)」「長短大内転筋はみな粗線」と薄筋を例外として先に覚える。
  • 関連知識: 鵞足構成3筋=縫工筋(大腿神経)・薄筋(閉鎖神経)・半腱様筋(坐骨神経)。神経支配がすべて異なる。
  • よくある間違い: 薄筋を大腿骨停止と誤認/大内転筋の停止を粗線のみと誤認(遠位は内転筋結節)。
  • 臨床応用: 鵞足炎は膝内側のスポーツ障害。薄筋は筋弁手術(遊離筋皮弁)や肛門括約筋再建に用いられる。
比較表
筋名 起始 停止
薄筋 恥骨下枝 脛骨粗面内側(鵞足)
長内転筋 恥骨体前面 大腿骨粗線内側唇(中)
短内転筋 恥骨下枝外面 大腿骨粗線内側唇(上)
大内転筋 恥骨下枝、坐骨枝、坐骨結節 大腿骨粗線内側唇、内転筋結節
恥骨筋 恥骨櫛 大腿骨恥骨筋線
解説画像
鍼灸 第2回(1994) 問題19|大腿骨粗線に停止しない筋はどれか。 解説図
鍼灸 第2回(1994) 問題19|大腿骨粗線に停止しない筋はどれか。
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