学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ M. 下肢の筋 / Q0980

理由で解く 解剖学

Q0980 運動器系

出典:あマ指 第2回(1994) 問題20
問題
大腿骨大転子に停止しない筋はどれか。
選択肢
1 小殿筋
2 中殿筋
3 大殿筋
4 梨状筋
解答
正解3(大殿筋)
解説
✗ 1. 誤り
小殿筋
小殿筋は中殿筋の深層にある三角形の筋で、腸骨外面(前殿筋線と下殿筋線の間)から起こり大転子に停止する。上殿神経支配で股関節を外転・内旋する。
✗ 2. 誤り
中殿筋
中殿筋は腸骨外面(前殿筋線と後殿筋線の間)から起こり大転子に停止する。股関節の外転主動筋で、歩行時に骨盤を水平に保つ役割を担う。
✓ 3. 正しい
大殿筋
大殿筋の停止は殿筋粗面(大腿骨後面上部)と腸脛靭帯であり、大転子ではない。腸骨外面(後殿筋線より後ろ)・仙骨・尾骨後面・仙結節靭帯から起こる大きな筋で、股関節の主要な伸展筋として直立歩行・階段昇降・走行に必須。下殿神経(L5-S2)支配。また腸脛靭帯を緊張させることで膝関節の伸展を補助し、直立姿勢の維持に関与する。他の殿筋(中・小殿筋)や梨状筋など大転子停止筋群とは停止部位で明確に区別される。
✗ 4. 誤り
梨状筋
梨状筋は仙骨前面(前仙骨孔の外側)から起こり大坐骨孔を通って大転子に停止する。股関節の外旋筋。梨状筋は坐骨神経の通路関係で臨床的に重要(梨状筋症候群)。
ポイント
  • 大殿筋の停止は殿筋粗面と腸脛靭帯。大転子に停止するのは中殿筋・小殿筋・梨状筋・大腿筋膜張筋(腸脛靭帯経由)など。
  • 覚え方のコツ: 「大殿筋だけ粗面(殿筋粗面)+腸脛靭帯。他の殿筋族は大転子」と例外を先に押さえる。
  • 関連知識: 大転子停止筋=中殿筋・小殿筋・梨状筋・上双子筋(転子窩)など/転子窩停止=内閉鎖筋・上下双子筋・外閉鎖筋/転子間稜=大腿方形筋。
  • よくある間違い: 大殿筋の停止を「大転子」と誤認(3殿筋を同一視)/梨状筋の停止を仙骨(起始と混同)。
  • 臨床応用: 大転子部皮下には大転子滑液包があり、側臥位での圧迫や中殿筋腱の摩擦で大転子滑液包炎を起こす。
比較表
筋名 停止部位 支配神経
大殿筋 殿筋粗面、腸脛靭帯 下殿神経
中殿筋 大転子 上殿神経
小殿筋 大転子 上殿神経
梨状筋 大転子 仙骨神経叢
内閉鎖筋・上下双子筋 転子窩 仙骨神経叢
大腿方形筋 転子間稜 仙骨神経叢
解説画像
あマ指 第2回(1994) 問題20|大腿骨大転子に停止しない筋はどれか。 解説図
あマ指 第2回(1994) 問題20|大腿骨大転子に停止しない筋はどれか。
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