学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ J. 上肢の筋 / Q0960

理由で解く 解剖学

Q0960 運動器系

出典:あマ指 第31回(2023) 問題16
問題
回旋筋板の形成に関与するのはどれか。
選択肢
1 肩甲下筋
2 三角筋
3 大円筋
4 大胸筋
解答
正解1(肩甲下筋)
解説
✓ 1. 正しい
肩甲下筋
回旋筋板(回旋筋腱板、ローテータカフ)は肩甲下筋・棘上筋・棘下筋・小円筋の4筋の停止腱が肩関節包を取り巻き癒合して補強する構造体である。肩甲下筋は前方を補強し、棘上筋は上方、棘下筋・小円筋は後方を補強する。これらは肩関節を安定化しつつ回旋運動を担うため「回旋筋」と呼ばれ、腱が板状に関節包と融合するため「腱板」と称される。
✗ 2. 誤り
三角筋
三角筋は肩関節の外側を覆う大きな表層筋で、肩関節包には癒合しない。回旋筋腱板を構成しない。
✗ 3. 誤り
大円筋
大円筋は肩甲骨下角から小結節稜に停止する筋で、肩関節包には癒合しないため回旋筋腱板の構成には含まれない。小円筋(腱板を構成)と名前が似ているが位置・機能・腱板関与の有無が異なる。
✗ 4. 誤り
大胸筋
大胸筋は胸部前面の大きな浅胸筋で、上腕骨大結節稜に停止する。肩関節包には癒合せず、腱板の構成には関与しない。
ポイント
  • 中核要点: 回旋筋腱板(ローテータカフ)は「棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋」の4筋で構成される。頭文字でSITS(Supraspinatus・Infraspinatus・Teres minor・Subscapularis)と覚える。
  • 覚え方のコツ: 「SITS筋」で4筋を記憶。位置的には肩甲下筋が前面、棘上筋が上面、棘下筋・小円筋が後面を覆う。
  • 関連知識: 4筋とも停止腱が肩関節包と癒合するため、腱板損傷は関節包損傷を伴う。断裂の頻度は棘上筋>棘下筋>肩甲下筋>小円筋の順。
  • よくある間違い: 大円筋を腱板に含めて5筋とする誤り/三角筋を腱板の一員と考える(三角筋は腱板外側の強力な外転筋)。
  • 臨床応用: 回旋筋腱板損傷は肩峰下インピンジメントで生じやすく、棘上筋腱が最多(加齢性変化も強い)。painful arc sign(外転60〜120度で疼痛)、Drop arm signが特徴的。
比較表
筋(SITS) 位置 作用 神経
棘上筋(S) 上面 外転始動 肩甲上神経
棘下筋(I) 後上面 外旋 肩甲上神経
小円筋(T) 後下面 外旋 腋窩神経
肩甲下筋(S) 前面 内旋 肩甲下神経
解説画像
あマ指 第31回(2023) 問題16|回旋筋板の形成に関与するのはどれか。 解説図
あマ指 第31回(2023) 問題16|回旋筋板の形成に関与するのはどれか。
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