学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ J. 上肢の筋 / Q0961

理由で解く 解剖学

Q0961 運動器系

出典:鍼灸 第32回(2024) 問題17
問題
前腕の屈筋群について正しいのはどれか。
選択肢
1 円回内筋を橈骨神経が貫く。
2 橈側手根屈筋は上腕骨内側上顆から起こる。
3 長掌筋は手根管を通る。
4 尺側手根屈筋は正中神経支配である。
解答
正解2(橈側手根屈筋は上腕骨内側上顆から起こる。)
解説
✗ 1. 誤り
円回内筋を橈骨神経が貫く。
円回内筋を貫くのは「正中神経」である(上腕頭と尺骨頭の2頭の間を通過する)。橈骨神経が貫通するのは「回外筋」。
✓ 2. 正しい
橈側手根屈筋は上腕骨内側上顆から起こる。
橈側手根屈筋は前腕屈筋浅層に属し、上腕骨内側上顆(共通屈筋起始部)から起こる。停止は第2・第3中手骨底、正中神経支配で、手関節の屈曲(掌屈)と外転(橈屈)を行う。内側上顆起始の浅層屈筋は外側から円回内筋・橈側手根屈筋・長掌筋・浅指屈筋(上腕尺骨頭)・尺側手根屈筋(上腕頭)の5筋である。
✗ 3. 誤り
長掌筋は手根管を通る。
長掌筋の腱は「屈筋支帯の浅層」を通って手掌腱膜に移行し、手根管内には入らない。手根管を通るのは浅指屈筋腱4本・深指屈筋腱4本・長母指屈筋腱1本と正中神経。
✗ 4. 誤り
尺側手根屈筋は正中神経支配である。
尺側手根屈筋は「尺骨神経」支配である。前腕屈筋群のうち尺骨神経支配となるのは尺側手根屈筋と深指屈筋尺側半の2筋のみ。
ポイント
  • 中核要点: 前腕屈筋浅層5筋は全て内側上顆から起こる(共通屈筋起始部)。支配神経は原則正中神経、例外は尺側手根屈筋と深指屈筋尺側半の尺骨神経。
  • 覚え方のコツ: 「内側上顆から5本(円・橈・長・浅・尺)」「尺側手根屈筋だけ尺骨神経」「長掌筋は手根管の上(浅層)」の3点を核に整理。
  • 関連知識: 浅層屈筋の配列は外側から内側へ: 円回内筋→橈側手根屈筋→長掌筋→浅指屈筋→尺側手根屈筋。深層屈筋3筋(深指屈筋・長母指屈筋・方形回内筋)は橈骨・尺骨・骨間膜から起こる。
  • よくある間違い: 「長掌筋=手根管内」と誤認する(屈筋支帯の浅層)/円回内筋と回外筋の貫通神経を混同する(円回内筋=正中神経、回外筋=橈骨神経)。
  • 臨床応用: 内側上顆炎(ゴルフ肘)は屈筋群の使いすぎで生じ、外側上顆炎(テニス肘)は伸筋群の使いすぎで生じる。長掌筋は欠損例が多く、腱移植のドナーとして利用される。
比較表
起始 停止 支配神経
円回内筋 内側上顆、尺骨鉤状突起 橈骨外側面中央 正中神経
橈側手根屈筋 内側上顆 第2・3中手骨底 正中神経
長掌筋 内側上顆 手掌腱膜 正中神経
浅指屈筋 内側上顆、尺骨粗面、橈骨前面 第2〜5指中節骨底 正中神経
尺側手根屈筋 内側上顆、尺骨後縁 豆状骨、第5中手骨底 尺骨神経
解説画像
鍼灸 第32回(2024) 問題17|前腕の屈筋群について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第32回(2024) 問題17|前腕の屈筋群について正しいのはどれか。
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