学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ P. 頭頸部の筋 / Q1064

理由で解く 解剖学

Q1064 運動器系

出典:あマ指 第31回(2023) 問題17
問題
下顎神経に支配されるのはどれか。
選択肢
1 頬 筋
2 側頭筋
3 口輪筋
4 広頸筋
解答
正解2(側頭筋)
解説
✗ 1. 誤り
頬 筋
頬筋は表情筋の一つ(深層にある)で「顔面神経(第VII脳神経)」に支配される。上顎骨と下顎骨の臼歯部から起こり口角に収束し、頬壁を歯列に押し付ける働きをする(咀嚼の補助)。表情筋はすべて顔面神経支配で、下顎神経支配ではない。
✓ 2. 正しい
側頭筋
側頭筋は咀嚼筋4筋の一つで、「下顎神経(第V脳神経第3枝)」に支配される。側頭窩から扇状に起こり下顎骨筋突起に停止し、下顎を挙上(閉口)する。咀嚼筋4筋(咬筋・側頭筋・外側翼突筋・内側翼突筋)はすべて下顎神経支配で、三叉神経の第3枝である下顎神経は感覚枝に加えて運動枝として咀嚼筋と顎二腹筋前腹・顎舌骨筋・鼓膜張筋・口蓋帆張筋を支配する。下顎神経は卵円孔を通って側頭下窩に出て多数の枝に分かれ、各咀嚼筋に短い筋枝を出す経過を辿る。他の表情筋や舌筋、広頸筋はいずれも下顎神経支配ではない点を明確に区別する必要がある。
✗ 3. 誤り
口輪筋
口輪筋は口裂を輪状に取り巻く表情筋で、閉口と口を丸める動きを担い「顔面神経(VII)」に支配される。母乳を吸う・口笛を吹くなどの動作に不可欠で、顔面神経麻痺では麻痺側の口輪筋が動かず口角が下がりよだれが漏れる。
✗ 4. 誤り
広頸筋
広頸筋は表情筋が頸部から胸部上方にまで広がったもので、皮筋として働き、口角を下方に引き下げる。顔面神経の頸枝に支配される。下顎神経支配ではない。
ポイント
  • 下顎神経(V3)支配は咀嚼筋4筋+顎舌骨筋・顎二腹筋前腹・鼓膜張筋・口蓋帆張筋。表情筋(頬筋・口輪筋・広頸筋)はすべて顔面神経。
  • 覚え方のコツ: 「咀嚼は三叉の三(V3)」「表情は七(VII)」。三叉神経第3枝=下顎神経=咀嚼系/顔面神経=表情筋+広頸筋。
  • 関連知識: 下顎神経は卵円孔を通り、咀嚼筋枝・舌神経・下歯槽神経・耳介側頭神経・頬神経を分枝。感覚は下顎・頬部皮膚・下顎歯・舌前2/3(一般感覚)。
  • よくある間違い: 広頸筋や頬筋を頸神経支配や下顎神経支配と誤認(両方とも顔面神経支配)。
  • 臨床応用: 三叉神経痛の第3枝型は下顎神経領域(下顎・頬部)の激痛。下顎神経ブロックは歯科・口腔外科手術で用いる。
比較表
神経 支配筋
下顎神経(V3) 咀嚼筋4筋/顎舌骨筋/顎二腹筋前腹/鼓膜張筋/口蓋帆張筋
顔面神経(VII) 表情筋全て(前頭筋・眼輪筋・口輪筋・頬筋・広頸筋など)/顎二腹筋後腹/茎突舌骨筋
舌下神経(XII) 舌筋群(外舌筋・内舌筋)
副神経(XI) 胸鎖乳突筋/僧帽筋
解説画像
あマ指 第31回(2023) 問題17|下顎神経に支配されるのはどれか。 解説図
あマ指 第31回(2023) 問題17|下顎神経に支配されるのはどれか。
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