学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ P. 頭頸部の筋 / Q1063

理由で解く 解剖学

Q1063 運動器系

出典:鍼灸 第29回(2021) 問題17
問題
頭頸部の筋について正しいのはどれか。
選択肢
1 上眼瞼挙筋は顔面神経支配である。
2 外側翼突筋は下顎骨を挙上する。
3 前斜角筋は第 2 肋骨に停止する。
4 胸鎖乳突筋は大鎖骨上窩の前縁を形成する。□5
解答
正解4(胸鎖乳突筋は大鎖骨上窩の前縁を形成する。□5)
解説
✗ 1. 誤り
上眼瞼挙筋は顔面神経支配である。
上眼瞼挙筋は眼球を動かす外眼筋の一つで、「動眼神経(第III脳神経)」に支配される。上眼瞼を挙上して開眼する筋である。顔面神経(第VII脳神経)支配は眼輪筋(閉眼に働く)であり、作用・神経が対照的。
✗ 2. 誤り
外側翼突筋は下顎骨を挙上する。
外側翼突筋は下顎を「前方に移動」させる筋で、挙上作用は持たない。挙上(閉口)は側頭筋・咬筋・内側翼突筋の3筋が担う。外側翼突筋のみ咀嚼筋の中で作用方向が異なる点が特徴。
✗ 3. 誤り
前斜角筋は第 2 肋骨に停止する。
前斜角筋は「第1肋骨」の斜角筋結節に停止する。第2肋骨に停止するのは「後斜角筋」のみで、前・中斜角筋はいずれも第1肋骨に停止し、この2筋と第1肋骨で斜角筋隙を形成する。
✓ 4. 正しい
胸鎖乳突筋は大鎖骨上窩の前縁を形成する。□5
大鎖骨上窩は後頸三角の下部にできる深い陥没で、胸鎖乳突筋後縁・僧帽筋前縁・鎖骨で囲まれる三角の下部にあたる。胸鎖乳突筋の後縁は後頸三角の「前縁」にあたり、大鎖骨上窩から見ると前縁となる(後縁は僧帽筋前縁)。胸鎖乳突筋は頸部の最も目立つ筋で、胸骨柄前面と鎖骨胸骨端から起こり側頭骨乳様突起に停止する副神経支配の強力筋である。大鎖骨上窩の深部には腕神経叢と鎖骨下動脈が位置し、胸郭出口症候群や腕神経叢ブロックの体表指標として重要である。
ポイント
  • 胸鎖乳突筋後縁は後頸三角の前縁=大鎖骨上窩の前縁を成す。上眼瞼挙筋は動眼神経、外側翼突筋は前方移動、前斜角筋は第1肋骨停止。
  • 覚え方のコツ: 後頸三角の境界=「胸鎖乳突筋後縁(前)/僧帽筋前縁(後)/鎖骨(下)」。
  • 関連知識: 開眼筋群=上眼瞼挙筋(動眼神経)+ミュラー筋(交感神経)。閉眼筋=眼輪筋(顔面神経)。前斜角筋と中斜角筋の間=斜角筋隙。
  • よくある間違い: 上眼瞼挙筋を表情筋(顔面神経支配)と誤認(実際は外眼筋で動眼神経)/外側翼突筋を挙上筋と取り違え。
  • 臨床応用: 眼瞼下垂では動眼神経麻痺(外傷・脳動脈瘤圧迫)やホルネル症候群(交感神経麻痺)を鑑別。大鎖骨上窩の腕神経叢ブロックは上肢手術の麻酔に用いる。
比較表
神経支配 機能
上眼瞼挙筋 動眼神経(III) 開眼(上眼瞼挙上)
眼輪筋 顔面神経(VII) 閉眼
外側翼突筋 下顎神経(V3) 下顎前方移動
前斜角筋 頸神経前枝 第1肋骨挙上・頸側屈
胸鎖乳突筋 副神経(XI) 頸部回旋・前屈
解説画像
鍼灸 第29回(2021) 問題17|頭頸部の筋について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第29回(2021) 問題17|頭頸部の筋について正しいのはどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 解剖学
App Store入手