学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ P. 頭頸部の筋 / Q1062

理由で解く 解剖学

Q1062 運動器系

出典:鍼灸 第27回(2019) 問題19
問題
咀嚼筋について正しいのはどれか。
選択肢
1 咬筋の起始は蝶形骨である。
2 側頭筋の停止は下顎骨筋突起である。
3 外側翼突筋は上顎神経に支配される。
4 内側翼突筋は下顎骨を前方に移動させる。
解答
正解2(側頭筋の停止は下顎骨筋突起である。)
解説
✗ 1. 誤り
咬筋の起始は蝶形骨である。
咬筋の起始は「頬骨弓(上顎骨頬骨突起および側頭骨頬骨突起で構成)」で、蝶形骨ではない。停止は下顎枝の外面。蝶形骨を起始とするのは外側翼突筋(翼状突起外側板)と内側翼突筋(翼突窩)である。
✓ 2. 正しい
側頭筋の停止は下顎骨筋突起である。
側頭筋は側頭窩から扇状に起こり、下方に向かって収束して下顎骨の「筋突起」に停止する。筋突起は下顎枝の上端前方にある鋭い突起で、関節突起(下顎頭を含む)と対をなす(関節突起と筋突起の間に下顎切痕)。側頭筋は垂直線維(前部)と水平〜斜走線維(後部)からなり、垂直線維は下顎の強力な挙上、後部の斜走線維は下顎を後方に引き戻す役割を持つ。下顎神経(第V3)に支配され、頬骨弓を乗り越えて筋突起に至る走行は側頭下窩の構造を理解する要点となる。
✗ 3. 誤り
外側翼突筋は上顎神経に支配される。
外側翼突筋は「下顎神経(第V脳神経第3枝)」に支配される。咀嚼筋4筋(咬筋・側頭筋・外側翼突筋・内側翼突筋)はすべて下顎神経支配であり、上顎神経(V2)や眼神経(V1)は感覚神経として頬部・上顎・眼窩周辺に分布するが咀嚼筋は支配しない。
✗ 4. 誤り
内側翼突筋は下顎骨を前方に移動させる。
内側翼突筋は下顎を「挙上(閉口)」し、片側収縮では反対側へ移動(左右運動)させる。前方移動作用を持つのは外側翼突筋であり、両者は作用が対照的である。
ポイント
  • 側頭筋は側頭窩→下顎骨筋突起に停止し、下顎を挙上する。咀嚼筋4筋はすべて下顎神経(V3)支配。
  • 覚え方のコツ: 下顎枝の突起対:「関節突起=下顎頭=外側翼突筋停止/筋突起=側頭筋停止」。
  • 関連知識: 咬筋=頬骨弓→下顎枝外面、外側翼突筋=蝶形骨→下顎頸・関節円板、内側翼突筋=翼突窩→下顎枝内面。
  • よくある間違い: 咬筋を蝶形骨起始と誤記(正しくは頬骨弓)/内側翼突筋を前方移動作用と取り違え(前方は外側翼突筋のみ)。
  • 臨床応用: 側頭筋は側頭痛・咀嚼筋腱腱膜症候群と関連。側頭動脈炎では側頭部の圧痛が典型症状で、側頭筋部位と重なる。
比較表
咀嚼筋 起始 停止 支配神経 主作用
咬筋 頬骨弓 下顎枝外面 下顎神経 下顎挙上
側頭筋 側頭窩 下顎骨筋突起 下顎神経 下顎挙上・後方移動
外側翼突筋 蝶形骨翼状突起外側板 下顎頸・関節円板 下顎神経 下顎前方移動
内側翼突筋 翼突窩(蝶形骨) 下顎枝内面 下顎神経 下顎挙上・左右移動
解説画像
鍼灸 第27回(2019) 問題19|咀嚼筋について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第27回(2019) 問題19|咀嚼筋について正しいのはどれか。
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