学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ J. 上肢の筋 / Q0934

理由で解く 解剖学

Q0934 運動器系

出典:あマ指 第13回(2005) 問題18
問題
肩関節の回旋筋腱板の形成に関与しないのはどれか。
選択肢
1 棘上筋
2 棘下筋
3 大円筋
4 肩甲下筋
解答
正解3(大円筋)
解説
✗ 1.
棘上筋
✗ 正しい。 棘上筋は棘上窩から起こり大結節に停止し、腱が肩関節包の上部に癒合して関節を補強する回旋筋腱板の上面を構成する。肩関節外転の始動筋で、回旋筋腱板の一員である。
✗ 2.
棘下筋
✗ 正しい。 棘下筋は棘下窩から起こり大結節に停止し、腱が肩関節包の後面に癒合して回旋筋腱板の後上部を構成する。肩関節外旋に働き、小円筋とともに腱板の後方を補強する。
✓ 3. 誤り
大円筋
大円筋は肩甲骨下角から起こり上腕骨小結節「稜」に停止する。腱が肩関節包に直接癒合せず、回旋筋腱板の形成には関与しない。名前が「小円筋」と似ているが、支配神経(肩甲下神経)も作用(内旋・内転)も異なり、腱板を構成するのは小円筋のみである。腋窩隙を上腕三頭筋長頭によって内側・外側に分ける際の境界となる筋。
✗ 4.
肩甲下筋
✗ 正しい。 肩甲下筋は肩甲下窩から起こり小結節に停止し、腱が肩関節包の前面に癒合して回旋筋腱板の前面を構成する。肩関節内旋に働き、唯一小結節に停止する腱板筋である。
ポイント
  • 回旋筋腱板は棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋の4筋からなる。大円筋は名前が似ているが腱板には含まれない。
  • 覚え方のコツ: 「SITS=Supraspinatus(棘上)・Infraspinatus(棘下)・Teres minor(小円)・Subscapularis(肩甲下)」の4筋で腱板を構成。大円筋は Teres major で別物。
  • 関連知識: 大円筋と小円筋の違い:大円筋は肩甲骨下角から起こり小結節稜に停止、支配は肩甲下神経、作用は内旋・内転。小円筋は肩甲骨外側縁から大結節に停止、腋窩神経支配、外旋作用。両者は腋窩隙で大きく異なる。
  • よくある間違い: 大円筋を回旋筋腱板と誤る/小円筋と大円筋の支配神経・作用を混同する/大円筋が大結節に停止すると誤る(小結節稜)。
  • 臨床応用: 腱板断裂は棘上筋腱に最多で、外傷や加齢で生じる。Drop arm sign 陽性となり外転保持不能。大円筋単独の損傷は稀だが、腋窩隙での圧迫(後方腋窩隙症候群)では腋窩神経障害を生じる。
比較表
回旋筋腱板 起始 停止 作用 支配神経
棘上筋 棘上窩 大結節 外転始動 肩甲上神経
棘下筋 棘下窩 大結節 外旋 肩甲上神経
小円筋 肩甲骨外側縁 大結節 外旋 腋窩神経
肩甲下筋 肩甲下窩 小結節 内旋 肩甲下神経
大円筋 × 肩甲骨下角 小結節稜 内旋・内転 肩甲下神経
解説画像
あマ指 第13回(2005) 問題18|肩関節の回旋筋腱板の形成に関与しないのはどれか。 解説図
あマ指 第13回(2005) 問題18|肩関節の回旋筋腱板の形成に関与しないのはどれか。
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