学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ J. 上肢の筋 / Q0915

理由で解く 解剖学

Q0915 運動器系

出典:あマ指 第3回(1995) 問題21
問題
肩関節の運動とそれに働く筋との組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 内転 - 大胸筋
2 外転 - 肩甲下筋
3 屈曲 - 上腕三頭筋
4 内旋 - 棘下筋
解答
正解1(内転 - 大胸筋)
解説
✓ 1. 正しい
内転 - 大胸筋
大胸筋は鎖骨内側1/2・胸骨・肋軟骨・腹直筋鞘から広く起こり、上腕骨大結節稜に停止する前胸壁の扇状筋である。肩関節の屈曲・内転・内旋に働き、広背筋・大円筋とともに上腕を体幹側に引き寄せる主要な内転筋である。呼吸補助筋としても作用する。
✗ 2. 誤り
外転 - 肩甲下筋
肩甲下筋は肩甲下窩から起こり小結節に停止する。肩関節の「内旋」筋であり、回旋筋腱板(ローテータ・カフ)の前面を構成する。肩関節の外転は棘上筋(始動)と三角筋中部繊維が担う。
✗ 3. 誤り
屈曲 - 上腕三頭筋
上腕三頭筋は肩甲骨関節下結節・上腕骨後面から起こり肘頭に停止する肘関節の「伸展筋」である。長頭は肩関節の伸展・内転にも関与するが、屈曲には作用しない。肩関節屈曲は三角筋前部・大胸筋鎖骨部・烏口腕筋が担う。
✗ 4. 誤り
内旋 - 棘下筋
棘下筋は棘下窩から起こり大結節に停止し、肩関節の「外旋」に働く。小円筋とともに回旋筋腱板の後面を構成する。肩関節内旋筋は肩甲下筋・大円筋・大胸筋・広背筋である。
ポイント
  • 大胸筋は肩関節の屈曲・内転・内旋に働く。肩関節の外旋筋は棘下筋・小円筋、内旋筋は肩甲下筋・大円筋・大胸筋・広背筋。
  • 覚え方のコツ: 回旋筋腱板は「前からSIT」で肩甲下筋=内旋、棘上筋=外転、棘下筋・小円筋=外旋と位置と作用を対応させる。大胸筋は「胸の前からの内転・内旋」、広背筋は「背中からの内転・内旋」と対でイメージ。
  • 関連知識: 肩関節の屈曲(前方挙上)=三角筋前部+大胸筋鎖骨部、伸展(後方挙上)=三角筋後部+広背筋、外転=棘上筋(0-15度)+三角筋中部(15-90度)。
  • よくある間違い: 棘下筋(外旋)と肩甲下筋(内旋)の作用を逆に覚える/大円筋と小円筋の作用を混同する(大円筋は内旋・内転、小円筋は外旋)。
  • 臨床応用: 回旋筋腱板損傷(特に棘上筋腱の断裂)で肩関節の外転不能・痛みが生じ、五十肩の原因となる。大胸筋損傷では押す動作・投球動作が困難となる。
比較表
肩関節の運動 主動筋
屈曲(前方挙上) 三角筋前部、大胸筋(鎖骨部)、烏口腕筋
伸展(後方挙上) 三角筋後部、広背筋、大円筋
外転 棘上筋(始動)、三角筋中部
内転 大胸筋、広背筋、大円筋
外旋 棘下筋、小円筋
内旋 肩甲下筋、大円筋、大胸筋、広背筋
解説画像
あマ指 第3回(1995) 問題21|肩関節の運動とそれに働く筋との組合せで正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第3回(1995) 問題21|肩関節の運動とそれに働く筋との組合せで正しいのはどれか。
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