学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ J. 脊髄神経 / Q0621

理由で解く 解剖学

Q0621 神経系

出典:あマ指 第3回(1995) 問題22
問題
上腕二頭筋の支配神経はどれか。
選択肢
1 正中神経
2 尺骨神経
3 筋皮神経
4 腋窩神経
解答
正解3(筋皮神経)
解説
✗ 1. 誤り
正中神経
正中神経は前腕屈筋群(浅指屈筋・橈側手根屈筋・長掌筋・円回内筋など)と母指球筋の運動を担うが、上腕では枝を出さず、二頭筋を支配しない。上腕では上腕動脈とともに内側上腕二頭筋溝を肘窩まで下行し、前腕で多数の運動枝・感覚枝を出す。
✗ 2. 誤り
尺骨神経
尺骨神経は内側束から起こり、上腕では枝を出さずに肘の内側上顆後方を通って前腕に至る。前腕では尺側手根屈筋・深指屈筋尺側半を、手では小指球筋・骨間筋・母指内転筋など手内筋の大部分を支配するが、上腕屈筋群には枝を出さない。
✓ 3. 正しい
筋皮神経
筋皮神経はC5-C7由来で腕神経叢の外側束から起こる。烏口腕筋を貫き、上腕屈筋群(上腕二頭筋・烏口腕筋・上腕筋)の3筋すべてを支配する。これらが「上腕屈筋三兄弟」として筋皮神経の専属支配下にある。前腕で皮膚に出ると外側前腕皮神経となり前腕外側の感覚を担う。上腕二頭筋反射(C5-C6)の運動路を構成する。
✗ 4. 誤り
腋窩神経
腋窩神経は腕神経叢後束から起こり、上腕骨外科頸の後面を回って三角筋・小円筋を支配し、肩関節包の感覚も担う。上腕二頭筋などの屈筋群は支配しない。肩関節脱臼や外科頸骨折で損傷されると三角筋萎縮と肩外側部の感覚障害をきたす。
ポイント
  • 上腕屈筋群3筋(上腕二頭筋・烏口腕筋・上腕筋)はすべて筋皮神経(C5-C7、外側束由来)支配で、上腕屈曲・前腕屈曲(および回外)を担う。
  • 覚え方のコツ: 「上腕の屈=筋皮、上腕の伸=橈骨」と前後で2分割。さらに「外側束=筋皮、後束=橈骨」と束との対応で覚える。
  • 関連知識: 上腕二頭筋反射の反射弓はC5-C6(筋皮神経経由)。前腕回外作用も上腕二頭筋の重要機能で、肘90度屈曲位で最大効率を発揮する。
  • よくある間違い: 上腕二頭筋を「正中神経支配」と混同しがち。正中神経は前腕屈筋群の支配であり、上腕屈筋には枝を出さない。橈骨神経も上腕では伸筋(三頭筋)専門。
  • 臨床応用: 筋皮神経単独損傷は稀だが、上腕骨外科頸骨折・烏口突起損傷・腋窩部圧迫で発症すると、肘屈曲力低下と前腕外側の感覚障害(外側前腕皮神経領域)が生じる。
比較表
上腕の主要筋 支配神経 主な作用
上腕二頭筋 筋皮神経 肘屈曲・前腕回外
烏口腕筋 筋皮神経 肩屈曲・内転
上腕筋 筋皮神経 肘屈曲(純粋な屈曲筋)
上腕三頭筋 橈骨神経 肘伸展
三角筋 腋窩神経 肩外転
解説画像
あマ指 第3回(1995) 問題22|上腕二頭筋の支配神経はどれか。 解説図
あマ指 第3回(1995) 問題22|上腕二頭筋の支配神経はどれか。
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