学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ B. 口腔(歯・舌・唾液腺) / Q0260

理由で解く 解剖学

Q0260 消化器系

出典:あマ指 第3回(1995) 問題23
問題
歯について正しい記述はどれか。
選択肢
1 永久歯は20 本ある。
2 臼歯の数は乳歯も永久歯も同じである。
3 下顎歯の痛覚は舌下神経で伝えられる。
4 主にカルシウムでつくられている。
解答
正解4(主にカルシウムでつくられている。)
解説
✗ 1. 誤り
永久歯は20 本ある。
永久歯は通常32本(切歯8・犬歯4・小臼歯8・大臼歯12)である。20本は乳歯の本数で、乳歯列には小臼歯と第3大臼歯(知歯)に相当する歯がない。
✗ 2. 誤り
臼歯の数は乳歯も永久歯も同じである。
乳歯列には乳臼歯が上下左右2本ずつ計8本あるのに対し、永久歯列では小臼歯8本+大臼歯12本=計20本の臼歯がある。乳歯には小臼歯・第3大臼歯に相当するものがないため、両者の本数は一致しない。
✗ 3. 誤り
下顎歯の痛覚は舌下神経で伝えられる。
下顎歯の痛覚は三叉神経の第3枝(下顎神経)の枝である下歯槽神経が伝える。舌下神経は舌筋の運動を支配する純運動神経で、痛覚伝達には関与しない。なお上顎歯の痛覚は三叉神経第2枝(上顎神経)の上歯槽神経が伝達する。
✓ 4. 正しい
主にカルシウムでつくられている。
歯の主体は象牙質(ゾウゲ質)という特殊な硬組織で、歯冠ではその上にエナメル質がかぶさる。とくにエナメル質は人体で最も硬い組織であり、その重量の約96〜97%をハイドロキシアパタイト(リン酸カルシウム結晶)が占める。象牙質・セメント質も主成分は同様のカルシウム塩で、歯全体としてリン酸カルシウムを主体とする無機質で構成されている。したがって「主にカルシウム」という記述は正しい。
ポイント
  • 歯の硬組織(エナメル質・象牙質・セメント質)は主にリン酸カルシウム(ハイドロキシアパタイト)から成る。
  • 覚え方のコツ: 「乳歯20/永久歯32」「エナメル質=全組織で最硬」「下顎歯の痛覚=三叉神経V3(下歯槽神経)」をセット暗記。
  • 関連知識: エナメル質の無機質は約96%で象牙質は約70%、セメント質は約65%とやや少ない。歯の中心には歯髄(軟組織)があり血管・神経が入る。
  • よくある間違い: 永久歯を28本(第3大臼歯抜き)と答える/下顎歯の神経支配を舌神経や舌下神経と混同する。
  • 臨床応用: う蝕は歯垢の乳酸によりエナメル質→象牙質が脱灰される疾患。象牙質に達すると冷温痛、歯髄に達すると激痛(歯髄炎)を生じ、根管治療の適応となる。
比較表
歯の部分 主成分の無機質割合 特徴
エナメル質 約96% 人体最硬、無細胞、歯冠表面
象牙質 約70% 歯の主体、歯髄側に象牙芽細胞
セメント質 約65% 歯根表面、歯根膜を介し歯槽骨と連結
歯髄 軟組織 血管・神経・結合組織
解説画像
あマ指 第3回(1995) 問題23|歯について正しい記述はどれか。 解説図
あマ指 第3回(1995) 問題23|歯について正しい記述はどれか。
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