学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ B. 口腔(歯・舌・唾液腺) / Q0259

理由で解く 解剖学

Q0259 消化器系

出典:あマ指 第3回(1995) 問題25
問題
口蓋によって口腔から隔てられる腔所はどれか。
選択肢
1 頭蓋腔
2 鼻腔
3 咽頭腔
4 喉頭腔
解答
正解2(鼻腔)
解説
✗ 1. 誤り
頭蓋腔
頭蓋腔は頭蓋骨に囲まれた脳を入れる空間であり、口腔とは頭蓋底(蝶形骨・側頭骨錐体部など)によって広範に隔てられる。隔壁は骨性頭蓋底そのものであって口蓋ではなく、位置関係も口腔の直上ではなく脳底部に相当するため不適切である。
✓ 2. 正しい
鼻腔
鼻腔と口腔はちょうど天井と床のような関係にあり、その間を隔てているのが口蓋である。口蓋は前方が硬口蓋(上顎骨口蓋突起・口蓋骨水平板からなる骨性部分)、後方が軟口蓋(筋線維と粘膜からなる可動部)で構成され、軟口蓋の後端には口蓋垂が垂れ下がる。硬口蓋は食塊を押しつぶすための硬い台として、軟口蓋は嚥下時に挙上して鼻腔への逆流を防ぐ弁として機能する。よって口蓋によって口腔から隔てられる腔所は鼻腔であり、臨床的には口蓋裂があると鼻腔と口腔が交通し哺乳障害や鼻咽腔逆流を来す。
✗ 3. 誤り
咽頭腔
咽頭腔は口腔の後方に位置し、口腔とは口峡(口蓋舌弓と口蓋咽頭弓の間)で直接連続する。両者を隔てる構造は口蓋ではなく口峡という開口部に過ぎず、隔壁として機能するわけではないため誤りである。
✗ 4. 誤り
喉頭腔
喉頭腔は咽頭下部の前方に位置し舌骨・甲状軟骨を目印とする頸部の空間であり、口腔とは喉頭蓋や舌根などを介して隔てられる。口蓋との直接の隔壁関係はなく、解剖学的位置も口腔より下方にずれているため該当しない。
ポイント
  • 口蓋は鼻腔と口腔を隔てる「上下の壁」であり、硬口蓋(骨性)と軟口蓋(筋性)に区分される。
  • 覚え方のコツ: 「口蓋は鼻と口のフロア/天井」と上下関係で記憶。硬口蓋=床(下から見れば天井)、軟口蓋=嚥下時のフタと役割で覚える。
  • 関連知識: 硬口蓋は上顎骨口蓋突起と口蓋骨水平板から成り、軟口蓋は口蓋帆張筋・口蓋帆挙筋などの咽頭筋群を含む。軟口蓋後端に口蓋垂がある。
  • よくある間違い: 口蓋=口腔と咽頭の境界(口峡)と混同しやすい。口峡は前後の境界、口蓋は上下の隔壁と方向が異なる。
  • 臨床応用: 口蓋裂は胎生期の口蓋突起癒合不全で生じる先天異常で、鼻咽腔閉鎖不全による哺乳障害・構音障害を来たし、鼻咽腔閉鎖機能再建のため形成外科的修復術が必要となる。
比較表
腔所 位置 口蓋との関係
鼻腔 口腔の上方 口蓋(硬口蓋・軟口蓋)により隔てられる ★
頭蓋腔 鼻腔・口腔の上方(脳を容れる) 頭蓋底により隔てられる
咽頭腔 口腔の後方 口峡で連続(隔壁ではない)
喉頭腔 咽頭の下方・前方 舌根・喉頭蓋を介し連続
解説画像
あマ指 第3回(1995) 問題25|口蓋によって口腔から隔てられる腔所はどれか。 解説図
あマ指 第3回(1995) 問題25|口蓋によって口腔から隔てられる腔所はどれか。
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