学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ J. 脊髄神経 / Q0620

理由で解く 解剖学

Q0620 神経系

出典:あマ指 第2回(1994) 問題33
問題
神経叢と神経との組合せで誤っているのはどれか。
選択肢
1 頸神経叢 - 横隔神経
2 腰神経叢 - 坐骨神経
3 腕神経叢 - 腋窩神経
4 仙骨神経叢 - 陰部神経
解答
正解2(腰神経叢 - 坐骨神経)
解説
✗ 1.
頸神経叢 - 横隔神経
✗ 正しい。 組合せは正しい。横隔神経はC3-C5(主にC4)の頸神経叢から起こり、胸郭上口を通って縦隔を下行し、横隔膜の運動と感覚を支配する唯一の神経である。「C3,4,5 keep the diaphragm alive」と覚えられる重要神経。
✓ 2. 誤り
腰神経叢 - 坐骨神経
✓ 正しい(=誤った組合せ)。 坐骨神経は腰神経叢ではなく「仙骨神経叢」(L4-S3)から起こる人体最大の末梢神経である。腰神経叢(T12-L4)の主要分枝は大腿神経・閉鎖神経・外側大腿皮神経・腸骨下腹神経・腸骨鼠径神経・陰部大腿神経などで、坐骨神経は含まれない。仙骨神経叢から梨状筋下孔を通って殿部に出て、大腿後面・下腿・足を支配する。
✗ 3.
腕神経叢 - 腋窩神経
✗ 正しい。 組合せは正しい。腋窩神経はC5-C6を主体とする腕神経叢の後束から起こり、上腕骨外科頸の後面を回って三角筋・小円筋を支配する。腕神経叢の主要枝5本(筋皮・正中・尺骨・橈骨・腋窩)の一つに数えられる。
✗ 4.
仙骨神経叢 - 陰部神経
✗ 正しい。 組合せは正しい。陰部神経は仙骨神経叢の最下位(S2-S4)から起こり、小坐骨孔を通って会陰部に至り、骨盤底筋(肛門挙筋・尿道括約筋)と外陰部の感覚を支配する。S2-S4を「陰部神経叢」として独立させて扱うこともある。
ポイント
  • 坐骨神経は仙骨神経叢(L4-S3)由来であり、腰神経叢の枝ではない。腰神経叢の代表は大腿神経・閉鎖神経・外側大腿皮神経。
  • 覚え方のコツ: 「腰=大腿(前面)/仙骨=坐骨(後面)」と支配領域でペア化。下肢神経は前面が腰由来、後面が仙骨由来と覚える。
  • 関連知識: 腰仙骨神経幹(L4-L5)が腰神経叢から仙骨神経叢へ合流し、L4-S3の繊維が坐骨神経を構成する。L4は両叢にまたがる「移行椎」的役割を持つ。
  • よくある間違い: 「下肢の神経=腰神経叢」と単純化すると誤る。坐骨神経・上下殿神経・陰部神経はいずれも仙骨神経叢由来である。
  • 臨床応用: 腰部脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアでL4-S1神経根が圧迫されると、坐骨神経痛(殿部から大腿後面・下腿外側へ放散する痛み)と下垂足・足底感覚低下が出現する。
比較表
神経叢 構成神経根 主な分枝
頸神経叢 C1-C4 横隔神経・頸皮神経・大耳介神経・鎖骨上神経
腕神経叢 C5-T1 筋皮・正中・尺骨・橈骨・腋窩神経
腰神経叢 T12-L4 大腿神経・閉鎖神経・外側大腿皮神経・腸骨下腹・腸骨鼠径・陰部大腿神経
仙骨神経叢 L4-S3 坐骨神経・上殿神経・下殿神経・後大腿皮神経
陰部神経叢 S2-S4 陰部神経
解説画像
あマ指 第2回(1994) 問題33|神経叢と神経との組合せで誤っているのはどれか。 解説図
あマ指 第2回(1994) 問題33|神経叢と神経との組合せで誤っているのはどれか。
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