学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ I. 脳神経 / Q0569

理由で解く 解剖学

Q0569 神経系

出典:あマ指 第2回(1994) 問題32
問題
運動のみに関与する神経はどれか。
選択肢
1 迷走神経
2 内耳神経
3 三叉神経
4 外転神経
解答
正解4(外転神経)
解説
✗ 1. 誤り
迷走神経
第X脳神経は運動・感覚・副交感の3成分をすべて含む混合神経である。咽喉頭筋の運動、外耳・咽頭の感覚、胸腹部内臓の副交感支配を一手に担うため「純運動性」には当たらない。
✗ 2. 誤り
内耳神経
第VIII脳神経は純粋な感覚神経である。蝸牛神経が聴覚を、前庭神経が平衡覚を伝えるのみで、運動線維は含まない。純感覚性の脳神経は嗅神経・視神経・内耳神経のI・II・VIIIの3つである。
✗ 3. 誤り
三叉神経
第V脳神経は感覚性(顔面・口腔の感覚)と運動性(咀嚼筋運動)の混合神経。大部分を占める感覚根に加え、下顎神経(V3)に合流する細い運動根が咀嚼筋群を支配するため、純運動性ではない。
✓ 4. 正しい
外転神経
第VI脳神経は橋の下縁から出て上眼窩裂を通り眼窩に入り、外側直筋1筋のみを支配する純運動性神経である。純粋に運動のみに関与する脳神経は、外眼筋を動かす動眼神経(III)・滑車神経(IV)・外転神経(VI)に加え、副神経(XI、胸鎖乳突筋・僧帽筋)と舌下神経(XII、舌筋)の計5つで、外転神経はその代表格。なお、動眼神経は副交感線維(瞳孔括約筋・毛様体筋)も含むため厳密には混合性に分類されるが、本問では純運動神経に含めるのが通例である。支配筋が外側直筋ただ1つというシンプルさが特徴で、走行が長く海綿静脈洞や斜台の圧迫で麻痺しやすい。
ポイント
  • 純運動性の脳神経はIII動眼・IV滑車・VI外転・XI副・XII舌下の5つ。純感覚性はI嗅・II視・VIII内耳の3つ。残り4つ(V・VII・IX・X)が混合神経である。
  • 覚え方のコツ: 語呂「純感覚 1・2・8/純運動 3・4・6・11・12/混合 5・7・9・10」と番号で機械的に分類するのが近道。動眼は副交感も持つが運動性として分類する慣習あり。
  • 関連知識: 外転神経は走行が長く、脳幹部から斜台を上行するため、頭蓋内圧亢進時に真っ先に障害を受けて外転神経麻痺(眼球内斜視)をきたす。
  • よくある間違い: 内耳神経を「耳=動き」と連想して運動性と誤認する例、三叉神経を大部分感覚なので純感覚と誤認する例が多い。
  • 臨床応用: 外転神経麻痺では患側眼が外転できず内斜視となり、複視が生じる。脳腫瘍・髄膜炎・糖尿病性神経障害・頭蓋底骨折などで好発する。
比較表
脳神経 分類 機能
I 嗅/II 視/VIII 内耳 純感覚性 嗅覚・視覚・聴覚/平衡覚
III 動眼/IV 滑車/VI 外転 運動性(外眼筋) 眼球運動(IIIは副交感も)
XI 副/XII 舌下 純運動性 頸部筋・舌筋
V 三叉/VII 顔面/IX 舌咽/X 迷走 混合性 感覚+運動(+副交感)
解説画像
あマ指 第2回(1994) 問題32|運動のみに関与する神経はどれか。 解説図
あマ指 第2回(1994) 問題32|運動のみに関与する神経はどれか。
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