学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ F. リンパ系 / Q0182

理由で解く 解剖学

Q0182 循環器系

出典:あマ指 第2回(1994) 問題31
問題
リンパが胸管に注ぎ込まない領域はどれか。
選択肢
1 右上半身
2 右下半身
3 左上半身
4 左下半身
解答
正解1(右上半身)
解説
✓ 1. 正しい
右上半身
右上半身(右頭頸部・右上肢・右乳房・右胸郭の一部)のリンパは胸管ではなく、右頸リンパ本幹と右鎖骨下リンパ本幹が合流した右リンパ本幹を経て右静脈角(右内頸静脈と右鎖骨下静脈の合流部)に注ぐ。胸管は右上半身を除く全身のリンパを集め、左静脈角に注ぎ込む太い本幹であり、右上半身はその集合領域から唯一除外される。
✗ 2.
右下半身
右下半身(右下肢・右骨盤・右腹壁下部)のリンパは鼠径リンパ節に集まり、右腰リンパ本幹を経て横隔膜の大動脈裂孔付近で乳び槽に合流し、そのまま胸管へ移行する。したがって右下半身のリンパは胸管に注ぎ込む領域に含まれる。
✗ 3.
左上半身
左上半身のリンパは、左頭頸部からの左頸リンパ本幹と、左上肢・左乳房からの左鎖骨下リンパ本幹として胸管の上端付近で胸管に合流する。結果、左上半身のリンパも胸管経由で左静脈角に注ぐので胸管が集める範囲に含まれる。
✗ 4.
左下半身
左下半身のリンパも左鼠径リンパ節から左腰リンパ本幹へ集まり、腸リンパ本幹と合流して乳び槽を形成し、胸管に移行する。左右を問わず下半身と左上半身のリンパはすべて胸管に注ぎ込むため、この選択肢は該当しない。
ポイント
  • 胸管は右上半身を除く全身のリンパを集め、左静脈角に注ぐ最大のリンパ本幹である。
  • 覚え方のコツ: 「右上だけ例外、あとは左の胸管へ」。右上半身=右リンパ本幹→右静脈角、それ以外=胸管→左静脈角、と2つの注入経路で対比して覚える。
  • 関連知識: 胸管は乳び槽から始まり、大動脈裂孔を通って胸腔を上行、左頸リンパ本幹と左鎖骨下リンパ本幹を合流して左静脈角に注ぐ。長さ約35〜45cm。
  • よくある間違い: 「左右どちらも均等に半分ずつ胸管に注ぐ」と思い込む/右下半身も右リンパ本幹に注ぐと誤解する(右下半身のリンパは胸管に入る)。
  • 臨床応用: 胸部外傷や食道癌手術で胸管が損傷すると乳び胸が起こる。左鎖骨上窩リンパ節(Virchowリンパ節)は胃癌などの遠隔転移部位として有名。
比較表
領域 集まるリンパ本幹 最終注入部位
右上半身(頭頸部・上肢・乳房) 右リンパ本幹 右静脈角
左上半身(頭頸部・上肢・乳房) 左頸・左鎖骨下リンパ本幹→胸管 左静脈角
右下半身(下肢・骨盤・腹部) 右腰リンパ本幹→乳び槽→胸管 左静脈角
左下半身(下肢・骨盤・腹部) 左腰リンパ本幹→乳び槽→胸管 左静脈角
解説画像
あマ指 第2回(1994) 問題31|リンパが胸管に注ぎ込まない領域はどれか。 解説図
あマ指 第2回(1994) 問題31|リンパが胸管に注ぎ込まない領域はどれか。
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