学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ I. 脳神経 / Q0570

理由で解く 解剖学

Q0570 神経系

出典:鍼灸 第2回(1994) 問題29
問題
外眼筋と支配神経との組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 上斜筋 ― 外転神経
2 外側直筋 ― 滑車神経
3 上直筋 ― 動眼神経
4 下直筋 ― 三叉神経
解答
正解3(上直筋 ― 動眼神経)
解説
✗ 1. 誤り
上斜筋 ― 外転神経
上斜筋は滑車神経(IV)に支配される。中脳背面から出る滑車神経は脳神経中唯一背側から出ることと、支配筋が上斜筋1つだけの純運動性である点が特徴。外転神経(VI)の支配は外側直筋のみである。
✗ 2. 誤り
外側直筋 ― 滑車神経
外側直筋を支配するのは外転神経(VI)。眼球を外側に動かす(外転させる)作用から神経名が付いた。滑車神経は上斜筋のみを支配する。数字の語呂「LR6SO4(外側直筋は6番、上斜筋は4番)」で整理できる。
✓ 3. 正しい
上直筋 ― 動眼神経
上直筋は動眼神経(III)に支配される。動眼神経は中脳から出て上眼窩裂を通り眼窩に入ると、外眼筋のうち上直筋・下直筋・内側直筋・下斜筋の4筋と、上眼瞼挙筋を支配する。さらに副交感線維が毛様体神経節を経由して瞳孔括約筋と毛様体筋(縮瞳・近見焦点調節)を支配する点も重要で、眼球運動と瞳孔調節の主役を担う神経である。外眼筋6つのうち上斜筋(滑車神経)と外側直筋(外転神経)を除いた4直筋1斜筋の計5筋+上眼瞼挙筋がすべて動眼神経支配と覚えておくと、選択肢を迷わず判別できる。
✗ 4. 誤り
下直筋 ― 三叉神経
下直筋は動眼神経(III)の支配。三叉神経(V)は顔面の感覚と咀嚼筋運動を担い、外眼筋の運動には関与しない。三叉神経第1枝の眼神経は感覚線維として眼窩内を走るが、外眼筋を動かすことはない。
ポイント
  • 外眼筋6つの支配は、上斜筋=滑車神経(IV)、外側直筋=外転神経(VI)、残り4筋(上直・下直・内側直・下斜)+上眼瞼挙筋=動眼神経(III)に分けられる。
  • 覚え方のコツ: 「LR6SO4(Lateral Rectus = CN 6、Superior Oblique = CN 4、残りはCN 3)」の英語語呂が世界的にも定番。IIIが多数派、IVとVIは各1筋と記憶。
  • 関連知識: III動眼・IV滑車・VI外転はいずれも上眼窩裂を通って眼窩に入る。上眼窩裂には他に三叉神経第1枝の眼神経(V1)も通過する。
  • よくある間違い: 上斜筋と上直筋を混同しやすい。上斜筋は「斜」=滑車神経支配、上直筋は「直」=動眼神経支配と漢字で対比して記憶する。
  • 臨床応用: 動眼神経麻痺では眼瞼下垂(上眼瞼挙筋麻痺)・眼球の外下方偏位・散瞳・対光反射消失(瞳孔括約筋麻痺)を生じる。糖尿病・動脈瘤・脳ヘルニアで好発する。
比較表
外眼筋 主作用 支配神経
上直筋 上転(やや内転・内方回旋) III 動眼神経
下直筋 下転(やや内転・外方回旋) III 動眼神経
内側直筋 内転 III 動眼神経
下斜筋 外上転・外方回旋 III 動眼神経
上斜筋 外下転・内方回旋 IV 滑車神経
外側直筋 外転 VI 外転神経
解説画像
鍼灸 第2回(1994) 問題29|外眼筋と支配神経との組合せで正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第2回(1994) 問題29|外眼筋と支配神経との組合せで正しいのはどれか。
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